その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 「第三の男」 (監督:キャロル・リード、1949年)

2016-01-27 22:42:09 | 映画


 イギリス映画史に名を残す古典映画といってよいと思うが、観るのは初めて。戦後のウィーンを舞台に、旧友の死亡事故の謎を巡って繰り広げられるサスペンス映画。

 白黒映画のためか光と影の陰影が美しくかつ効果的。ショットも観覧車での対決シーンや下水道での追跡など、印象的な場面が多く見ごたえがある。

 また全編を流れるアントン・カラスの音楽も印象的。映画のサイコ・サスペンス的な雰囲気とは必ずしもマッチしていないところが、映像の緊張感を緩め、この映画に独特の趣を加えている。音楽を重々しいものにして、より心理的に圧迫感のあるヘビーな作品にすることもできたと思うが、音楽がこの映画に映像やストーリーとは違ったインパクトを視聴者に与えて、個性的な作品になっている。

 名作といわれるのも頷ける映画だった。


スタッフ

監督:キャロル・リード
原作:グレアム・グリーン
脚本:グレアム・グリーン
音楽:アントン・カラス

出演:
ジョセフ・コットン
オーソン・ウェルズ
アリダ・ヴァリ
トレヴァー・ハワード
バーナード・リー
ジェフリー・キーン
エルンスト・ドイッチュ
コメント
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