その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 1月定期Aプロ/ 指揮:山田和樹/ ストラヴィンスキー 「ペトルーシカ」 他 ~演奏会初めは初ヤマカズ~

2016-01-10 22:23:54 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
 

 昨今話題の「世界のヤマカズ」こと山田和樹さん。私にとっては、初・ヤマカズでもあり、期待一杯で2016年コンサート初めに。

 まずプログラムがユニークですね。3曲ともにおもちゃの人形がネタ。新春に相応しいファンタジックな選曲(ペトルーシカなどはストーリーはグロテスクですが・・・)です。三連休の中日ということもあってか、聴衆は8割ほどの入り。

 初めて見たヤマカズさんは比較的小柄なかたでした。年齢は30代半ばのようですが、童顔顔っぽいので若くみえますね。初めて知ったのですが、2010-2012年の間、N響の副指揮者も務めておられたようで、そのためかN響にも随分、馴染んでいるようにお見受けしました。

 冒頭のビゼーの組曲は、初めて聴く曲ですが、さらっと流れる軽快な音楽でした。2曲目は、こちらも初めてのドビュッシーのバレエ音楽「おもちゃ箱」。 今日のもう一つの楽しみの女優の松嶋菜々子さんが語りで登場します。すらりとした長身の美人で、ホント舞台映えする方です(脚長の椅子に腰をかけての語りですが・・・)。持参のオペラグラスが釘付け。ヤマカズさん、N響には大変申し訳ないのですが、音楽そっちのけで、松嶋さんを眺めておりました。ごめんなさい。ただ、自分を棚に上げるわけではありませんが、演奏後ヤマカズ氏が、松嶋さんに目じりを下げてデレデレ風の喜び(?)を表しているのを見て、同じ男性としてわかる気がしたのと同時に、ちょっと情けなさを感じてしまったのも事実。まあ、天唾ですがね。

 一転して、休憩後の「ペトルーシカ」は、きっとこれがヤマカズ氏の真骨頂なのだろうと思わせてくれる熱演でした。変化に富んだこの曲を、バランスよくオーケストラをまとめ、実にクリアに聞かせてくれます。まるでバレエの場面場面が目に浮かぶうよう。N響も、弦、管それぞれイキイキ、はつらつとした演奏で応えてました。この音楽、ストラヴィンスキーっぽくて大好き。

 正直、「あっ」と言うようなサプライズはありませんでしたが、普段、ベテラン・重鎮指揮者が大いN響定演の中に合って、ヤマカズさんのような若手が振ること自体が非常に新鮮で、違う空気がNHKホールに流れるようです。来週末も同じく若手のソヒエフさん。楽しみです。


第1826回 定期公演 Aプログラム


2016年1月10日(日) 開場 2:00pm 開演 3:00pm

NHKホール

ビゼー/小組曲「こどもの遊び」作品22
ドビュッシー(カプレ編)/バレエ音楽「おもちゃ箱」*
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシカ」(1911年版)

指揮:山田和樹
語り*:松嶋菜々子(女優)


No.1826 Subscription (Program A)

Sunday, January 10, 2016 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)

NHK Hall

Bizet / “Jeux d’enfants”, petite suite d’orchestre op.22
Debussy / Caplet / “La boîte à joujoux”, ballet*
Stravinsky / “Pétrouchka”, burlesque (1911 edition)

Kazuki Yamada, conductor
Nanako Matsushima, narrator*
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする