映画のエントリーが続きますが、こちらも年末年始にDVDで視聴したもの。
資金難で一度解散したプロオーケストラの再生に向けて、無名だが只者ではない指揮者天道徹三郎(西田敏行)とメンバーたちが織り成すヒューマンドラマ。
私の好きなクラシック音楽がテーマということで、借りてみたのだけど、気軽に楽しめる良品だった。指揮者とオーケストラのメンバーという、時にリーダーとフォロアーの関係であり、場合によっては敵対関係にもなりうるデリケートな関係をうまく描写している。また、指揮者とメンバーをつなぐコンサートマスターの役割や、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」やシューベルトの「未完成」交響曲のポイントをさりげなく紹介してくれるなど、クラシック音楽入門にもなりうり、クラシック音楽ファンでも、ファンでなくてもは楽しめる(クラシックおたくの人には物足りないだろうが・・・)。
西田敏行という俳優さんは個性が強すぎるという意味で、ドラマの印象がすべて西田敏行になってしまう可能性があって、なかなか難しい男優さんだと思うのだけど、本作ではその個性がうまく生かされていた。流石の貫録という感じ。今売り出し中の松坂桃李が、才能あるコンサートマスターを演じたが、落ち着いた演技でまずまず。船の上で暮らす、アマチュアフルーティストの橘あまねを演じるmiwaがはつらつとして、比較的地味な映像に色彩を添えていた。
クラシック音楽がテーマであるけども、肩肘張らずに楽しめるので、いろんな人にお勧めしたい。
スタッフ
監督 小林聖太郎
原作 さそうあきら
脚本 奥寺佐渡子
エグゼクティブプロデューサー 豊島雅郎、小西真人
キャスト
松坂桃李 香坂真一
miwa 橘あまね
西田敏行 天道徹三郎
古館寛治 阿久津健太朗
大石吾朗 村上伊佐夫