ボストングローブ紙の記者たちが、地元ボストンのカトリック教会の神父たちによる児童への性的虐待について、粘り強い調査をもとにスクープ。これまで隠し続けられた教会組織の犯罪を暴く実話に基づいた物語。今年の第88回アカデミー賞の作品賞と脚本賞を受賞しているだけのことはある、良質の映画。
ずいぶん昔に観た、ワシントンポストの記者がニクソン大統領の盗聴事件(ウォーターゲート事件)を暴く映画「大統領の陰謀」を思い出した。最近は政府の広報官と化しているNHXをはじめとして、日本ではジャーナリズムの基盤がぐらついているが、ジャーナリズムの役割、意義について考えさせられる。
また、編集長、チーフ等、それぞれの立場におけるリーダーシップも興味深い。強くて、しなやかなリーダーからは強いチームが生まれるのだ。
記者役の俳優さんたちの熱演で、ぐーっとスクリーンに引き込まれる。女性記者役で出ている女優は、どこかで見たことあるなあと思っていたのだが、後で確認したら「アバウト・タイム」でヒロインを演じていたレイチェル・マクアダムだった。個人的に好み。
テーマは硬派だが、映画自体はシリアスながらもさほど重いつくりにはなっていない。テンポよく作られており、2時間10分を感じずに楽しめる。
蛇足だが、ボストンって東海岸のまさに保守的でWASPの町という勝手なイメージを持っていたのだけど、カトリック系住民が多いとは知らなかった。
スタッフ
監督トム・マッカーシー
製作マイケル・シュガースティーブ・ゴリンニコール・ロックリンブライ・パゴン・ファウスト
キャスト
マーク・ラファロ: マイク・レゼンデス
マイケル・キートン: ウォルター・“ロビー”・ロビンソン
レイチェル・マクアダム: スサーシャ・ファイファー
リーブ・シュレイバー: マーティ・バロン
ジョン・スラッテリー: ベン・ブラッドリー・Jr.