調布音楽祭のフィナーレを飾るバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏会に足を運んだ。
プログラムはバッハの管弦楽組曲第3番とヘンデルの「水上の音楽」全曲。BCJならではの選曲だ。
管弦楽組曲第3番は、3年前にこの音楽祭でBCJが組曲全曲を演奏した時にも聴いている。久しぶりに聴く管弦楽組曲は、自分がイメージしていた以上に活発で華やかな演奏に魅せられた。もともとは舞曲だったというのもうなずける。2階のホール最深部に座っていたのだが、音も十分に届いた。
恥ずかしながら、ヘンデルの「水上の音楽」を生で聴くのは全くの初めて。英国ジョージ1世のテムズ川での舟遊びの時のために作曲され、演奏されたとされているが、鈴木雅明氏のプレトークによると「真偽のほどは怪しい」らしい。今回は、今世紀に入って発見された新史料をもとに、3つの組曲として演奏されることが多かったこの楽曲を、新しく組み直して通しで演奏された。従来型とは第1組曲(10曲目)までは同じだが、第2組曲、第3組曲に相当する部分では、かなり演奏順は入れ替わっている。
全編を通じてこの音楽を聴くのが初めての私には、組直し前と後の違いによる曲風の違いはわからなかったが、典雅で華やかなこの音楽を十二分に楽んだ。2台のチェンバロや古楽器のホルンやトランペットなど古楽ならでは響きが何とも心地よい。王族の一員に加わったようなリッチな気分を味わった。バロック!って感じ。
終演後、本音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーでBCJでチェンバロも弾かれた鈴木優人氏から「来年も6月中旬にやるのでカレンダーあけといて」とのメッセージがあった。その場で手帳にマークしたが、中旬っていったい何時のことか?(10・11日?それとも16・18日?)。一応、2つの週末を抑えておいた。
確か、昨年も書いたと思うが、、BCJの良さを最大限味わうために、来年は是非、声楽が入る曲もプログラムに加えて欲しい。
夕暮れの調布の空を眺め、「水上の音楽」のサビ部分を口ずさみながら、帰路につく。来年も期待してます!
バッハ・コレギウム・ジャパン《水上の音楽》
日時
6月26日(日)17:00〜
場所
グリーンホール 大ホール
出演
鈴木雅明(指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)
曲目
J.S.バッハ:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068
ヘンデル:《水上の音楽》新発見資料による22楽章単一組曲版