その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ブルオタにはなれそうにない:N響 9月定期Aプロ/ 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ブルックナー交響曲第2番ほか

2016-09-25 22:28:37 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 いよいよ2016-2017シーズン開幕です。とは言っても、先々週に90周年記念特別演奏会に行っているので、例年のようなオープニングならではの高揚した気分は湧いてきませんでした。客席もパーヴォアさんが振る割には、空席もそれなりに目立ち、8割弱ぐらいの入りです。

 冒頭は、ラルス・フォークトさんのピアノによるモーツァルトピアノ協奏曲第27番。有名な曲ですが、私は意外と実演で聴く機会に恵まれてない曲です。ラルス・フォークトさんのピアノは、日本やロンドンで何度も聴いていますが、いつも安心して身を委ねられる演奏をしてくれます。

 今日も一つ一つの音がクリアによく響きます。バックのN響のアンサンブルも何とも柔らかで、フォークトさんのピアノの音を引き立ててくれます。余りにも優雅な気分に浸れてしまうので、第一楽章は押し寄せる睡魔との戦いが壮絶でした。第2、3楽章ではしっかり立ち直り、王侯貴族の気分で楽しみました。アンコールは、シューベルトの楽興の時第3番ヘ短調。

 後半はブルックナーの交響曲第二番。私は、全くの未体験曲。YouTubeで予習しようと思っていたのですが、時間切れでできず仕舞でこの日を迎えています。骨格のしっかりしたブルックナーというのが第一印象でした。パーヴォさんが振ると、音楽が決して散らかることなく、構造的に聴こえるので不思議です。音楽が無理なく、無駄なくで理想的BMI(体重・体格指数)って感じがします。N響も素晴らしく、弦、管ともに緊張感ある引き締まった演奏。特に、第2楽章のホルンの音色、第三楽章のスケルツォには痺れました。

 ただ、この音楽、私には掴みどころなく、難しすぎてやや消化不良気味。演奏には拍手喝采だが、自分としての投入感は満点とは行きませんでした。会場は満員時に劣らぬ大拍手と熱烈なブラボーが飛びまくっていましたが、きっとブルオタ人たちも大満足の演奏だったのでしょう。私は、当分、ブルオタ道の入口にも立てそうにありませんが、聴き続けていきたいと思います。来週もパーヴォさん。楽しみです。


第1842回 定期公演 Aプログラム
2016年9月25日(日) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール

モーツァルト/ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
ブルックナー/交響曲 第2番 ハ短調

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ:ラルス・フォークト


No.1842 Subscription (Program A)
Sunday, September 25, 2016 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall

Mozart / Piano Concerto No.27 B-flat major K.595
Bruckner / Symphony No.2 c minor

Paavo Järvi, conductor
Lars Vogt, piano
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