久しぶりに海外オケの演奏会に。厳しい予算をやり繰りしながらのコンサート通いの私には外オケはなかなか手がです、昨年は一つも行けてません。今回は、まだ実演に接したことの無いベルリン・コンチェルトハウス管、インバルさんの指揮、比較的リーズナブルな価格設定と3拍子揃ったこともあり、気合を入れて東京文化会館5階席に着席。
前半は、上原彩子さんによるモーッアルトのピアノ協奏曲第20番。上原さんのピアノは10年以上前にN響と共演したの聴いて以来です。発せられる音は、軽やかで、優しく、美しい。第二楽章の美しさは天にも昇る気分でした。モーツァルトってホント神。そして、それを奏でる薄青色と白の混ざったドレスを纏った上原さんも神々しいほど。体を45度傾けて指揮者やオケを常に確認しながら、ピアノを操る上原さんの姿勢も好感度大でした。
後半は、いよいよインバル先生の十八番とも言えるマーラーの交響曲第5番。この曲を生で聴くのは7年ぶりです。冒頭のトランペットのソロから、突き刺すような音の閃光がホールを突き刺します。通して感じたのは、外オケらしい弦楽器の重厚なサウンドと金管陣のストレス抜ける吹きっぷりが組み合わされた、量りがあれば針が振りけれそうな音圧。5階席に座っているとは思えない迫力。正直、全体のアンサンブルの美しさは、聴き慣れているN響に間違いなく軍配が上がりますが、ある意味無秩序なほどのこの迫力は、在京オケでは感じられません。東洋系の演奏者もちらほらいるのですが、西洋人の体のつくりは違うとしか思えないですね。
インバル先生の解釈は、この曲を聞き込めていない私には、恥ずかしながら良くわかりませんでした。重厚さと美しさが両立した第4楽章には胸を打たれましたが、全体としては音のパワーに押されまくって、ただただ感心と驚きばかり。インバル先生は81歳らしいですが、指揮台の上でジャンプしたり、唸り声(と思われるる)が5階席まで届くなど、とても81歳には見えません。あんな風に年を重ねたいものです・・・。
2017年3月22日
東京文化会館
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
指揮―エリアフ・インバル
ピアノ 上原彩子
●モーツァルト…ピアノ協奏曲第20番
●マーラー…交響曲第5番