夏休みは事情で殆ど出かけてないので、9月第一週の週末に奈良に行ってきた。奈良は15年ぶりぐらい。しかも、もともと奈良公園周辺しか訪れたことが無いので、知らないに等しい。今回は、唐招提寺のある西ノ京エリアと法隆寺のある斑鳩エリアがターゲット。日本人としては恥ずかしながら、どこも初めて訪れる。
土曜日、お昼前の新幹線に乗って、奈良に向かう。まずは、近鉄、西ノ京駅で下車して(近鉄特急には、まだ喫煙車があってびっくり)、薬師寺へ。久しぶりに歴史ある古寺の訪問だ。「法相宗[ほっそうしゅう]」の大本山で、「天武天皇により発願(680)、持統天皇によって本尊開眼(697)、更に文武天皇の御代に至り、飛鳥の地において堂宇の完成」。その後、平城遷都(710)に伴い現在地に移された(718)とのこと。(薬師寺HPより)
《金堂:この建物は1976年に白鳳時代様式の本格的な金堂として復興したもの》
想像以上に観光客が少なく、奈良時代からの国宝や重要文化財の仏像もほぼ独り占め。東京の博物館で見る仏像とは違って、金堂に置かれた薬師三尊像(国宝:白鳳時代)を拝むと、まさにあるべきところにあるべきものがあるという感じで、その尊厳さに打たれる。仏像は見るものではなくて、祈るものなのだ。左右の菩薩様(右に日光菩薩、左に月光菩薩)は、尊いだけでなくセクシーでもある。
《薬師三尊像 国宝・白鳳時代》 薬師寺HPから
《東院堂:養老年間(717~724)に吉備内親王が元明天皇の冥福を祈り建立。鎌倉時代に建て替え》
《聖観世音菩薩像 (国宝:白鳳時代)》薬師寺HPから
国宝の東塔が改修工事中でテントがかかっていたのは残念だったが、まあしょうがない。
《西塔:1981年に復興》
薬師寺には1時間ほど滞在し、続いて徒歩5分ほどに位置する唐招提寺を訪れる。日本史の教科書に必ず掲載されている超有名なお寺である。唐の高僧・鑑真大和上により759年に創建された。寺の壮厳さもさることながら、緑に囲まれた環境も素晴らしい。国宝の蘆紗那仏坐像(奈良時代8世紀)、薬師如来像(平安時代(9世紀))は1000年以上前の仏像。ひんやりと冷たい空気が漂う金堂の中、ぼんやりとこれらの仏像を見ると、それだけで心の平安が訪れる。欧州を旅行すると教会で似た気分になるが、自分にとって教会は外の世界だが、寺院は自分の内にある感覚がある。違う。
《金堂:国宝 奈良時代(8世紀後半)、寄棟造・本瓦葺、8世紀後半の創建時の姿を残す代表的な建築物》
《本尊の盧舎那仏坐像 国宝 奈良時代》唐招提寺HPより
《千手観音立像 国宝 奈良時代》 唐招提寺HPより
奈良時代に作られた経蔵は日本最古の校倉。改めて日本は木の文化であることを実感。気の向くまま院内を散歩するが、緑の木々に囲まれた落ち着いた環境に心身が癒される。敷地の奥まったところに鑑真和上の墓所(開山御廟)があったが、その途中には見事な苔庭。夕陽が当たって緑のグラデュエーションが美しい。来て良かった。
《経蔵:国宝 奈良時代(8世紀)、校倉・寄棟造・本瓦葺、高床式の校倉で、唐招提寺で最も古い建造物であり、日本最古の校倉》
《金堂の裏》
《苔庭? 目で見たようにきれいには写りませんね》
寺を出てホテルのある奈良駅に向かう。近鉄奈良駅を出ると、すごい人だかり。何かと思ったら、10分後に皇太子ご夫妻が到着されるとのこと。せっかくなので、お出迎えの一群に加わらせてもらった。私の数少ない自慢は、20年ほど前に東宮御所で皇太子殿下とお話しさせて頂いたことなのだが、殿下を直接拝見するのは、それ以来。雅子皇太子妃もお元気そうで何より。充実の奈良、第一部であった。
(つづく)
土曜日、お昼前の新幹線に乗って、奈良に向かう。まずは、近鉄、西ノ京駅で下車して(近鉄特急には、まだ喫煙車があってびっくり)、薬師寺へ。久しぶりに歴史ある古寺の訪問だ。「法相宗[ほっそうしゅう]」の大本山で、「天武天皇により発願(680)、持統天皇によって本尊開眼(697)、更に文武天皇の御代に至り、飛鳥の地において堂宇の完成」。その後、平城遷都(710)に伴い現在地に移された(718)とのこと。(薬師寺HPより)
《金堂:この建物は1976年に白鳳時代様式の本格的な金堂として復興したもの》
想像以上に観光客が少なく、奈良時代からの国宝や重要文化財の仏像もほぼ独り占め。東京の博物館で見る仏像とは違って、金堂に置かれた薬師三尊像(国宝:白鳳時代)を拝むと、まさにあるべきところにあるべきものがあるという感じで、その尊厳さに打たれる。仏像は見るものではなくて、祈るものなのだ。左右の菩薩様(右に日光菩薩、左に月光菩薩)は、尊いだけでなくセクシーでもある。
《薬師三尊像 国宝・白鳳時代》 薬師寺HPから
《東院堂:養老年間(717~724)に吉備内親王が元明天皇の冥福を祈り建立。鎌倉時代に建て替え》
《聖観世音菩薩像 (国宝:白鳳時代)》薬師寺HPから
国宝の東塔が改修工事中でテントがかかっていたのは残念だったが、まあしょうがない。
《西塔:1981年に復興》
薬師寺には1時間ほど滞在し、続いて徒歩5分ほどに位置する唐招提寺を訪れる。日本史の教科書に必ず掲載されている超有名なお寺である。唐の高僧・鑑真大和上により759年に創建された。寺の壮厳さもさることながら、緑に囲まれた環境も素晴らしい。国宝の蘆紗那仏坐像(奈良時代8世紀)、薬師如来像(平安時代(9世紀))は1000年以上前の仏像。ひんやりと冷たい空気が漂う金堂の中、ぼんやりとこれらの仏像を見ると、それだけで心の平安が訪れる。欧州を旅行すると教会で似た気分になるが、自分にとって教会は外の世界だが、寺院は自分の内にある感覚がある。違う。
《金堂:国宝 奈良時代(8世紀後半)、寄棟造・本瓦葺、8世紀後半の創建時の姿を残す代表的な建築物》
《本尊の盧舎那仏坐像 国宝 奈良時代》唐招提寺HPより
《千手観音立像 国宝 奈良時代》 唐招提寺HPより
奈良時代に作られた経蔵は日本最古の校倉。改めて日本は木の文化であることを実感。気の向くまま院内を散歩するが、緑の木々に囲まれた落ち着いた環境に心身が癒される。敷地の奥まったところに鑑真和上の墓所(開山御廟)があったが、その途中には見事な苔庭。夕陽が当たって緑のグラデュエーションが美しい。来て良かった。
《経蔵:国宝 奈良時代(8世紀)、校倉・寄棟造・本瓦葺、高床式の校倉で、唐招提寺で最も古い建造物であり、日本最古の校倉》
《金堂の裏》
《苔庭? 目で見たようにきれいには写りませんね》
寺を出てホテルのある奈良駅に向かう。近鉄奈良駅を出ると、すごい人だかり。何かと思ったら、10分後に皇太子ご夫妻が到着されるとのこと。せっかくなので、お出迎えの一群に加わらせてもらった。私の数少ない自慢は、20年ほど前に東宮御所で皇太子殿下とお話しさせて頂いたことなのだが、殿下を直接拝見するのは、それ以来。雅子皇太子妃もお元気そうで何より。充実の奈良、第一部であった。
(つづく)