その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

浅田次郎 『長く高い壁 The Great Wall』

2018-06-16 09:00:03 | 



 久しぶりに浅田次郎を小説を読んだ。気軽に読めるエンタメ小説である。

 日中戦争時の中国、万里の長城、張飛嶺を舞台に、日本軍に起こった分隊10名が全員死亡という事件を、従軍作家と検閲班長が真相に迫るミステリー。 
 謎解きの面白さに加えて、当時の軍隊や現地の様子を窺い知ることができて(もっとも描写がどの程度リアルなのかは良く分からないが)、歴史の面白さも味わうことができる。

 ミステリとしてはやや犯人の動機や事件のリアリティが弱いが、ミステリーマニアで無ければ、細かいことは気にしなくていいだろう。通勤電車で読むにはちょうど良い一冊だった。
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