以前、モスクワに出張で出かけた際に、何とか時間作ってプーシキン美術館に潜入できないかを企てたが、ほぼ完全拘束状態であった1泊2日の出張では実現できなかった。そのリベンジと言うことで、東京都美術館へ。
「収蔵品の数は約10万点でエルミタージュ美術館に次ぐ世界2位」(Wikiより)というぐらいなので、星の数ほどあろう収蔵品の中から、今回は印象派とその前後の時代も含めたフランスの風景画を集めた企画である。展示作品数は65点ということで多くはないが、1点1点の質が高く、見ごたえたっぷりだった。「旅する風景画」とのキャッチコピーがついているが、まさに風景画を通じてバーチャルフランスツアーが体験できる。
個々の作品も良いが、風景を描くにもこれほどのバリエーションがあることに気づかされたところが楽しかった。神話の世界を幻想的に描いた風景、離れてみるとまるで写真のように見える風景画、セザンヌの色使い、ピカソのキュビズムで描かれた風景などなど、風景の受け止め、理解、表現の仕方の違いが興味深い。
金曜の夜間開館時間に訪れたが、展示作品数が多くないためか、絵と絵の間隔も余裕があり鑑賞しやすい。落ち着いて絵に浸ることができる環境である。
クロード・ロラン《エウロペの掠奪》1655年
クロード・モネ《草上の昼食》1866年 初来日!
ジャン=フランソワ・ラファエリ《サン=ミシェル大通り》1890年代