その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

デービッド・アトキンソン 『日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義』 東洋経済新報社、2019

2019-07-26 07:30:00 | 

日本に30年居住する外国人経営者であり、アナリストでもあった著者が、日本が抱える人口減少、高齢化に対する処方箋を提言する。同様の課題について研究した海外の文献を広く当り、そこでの知見を活用するというアプローチだ。

提言としては、「最低賃金のアップ」、「生産性の低中小企業の淘汰」、「女性活用」、「経営者の教育」など、飛び切り目新しいものは無いが、とかく「見たいものしか見ない」傾向が顕著な昨今の日本にとっては、「ホント」のことを書かれて、耳が痛い一冊となる人もいるだろう。(アマゾンのレビュー評価がめちゃ高いが、これは高すぎではないか?)

マクロ的な分析が中心なので、施策をどう実現するのかという意味で、やや欲求不満が残るところはあるが、読んでおいて損はない一冊ではある。

 

【目次】

第1章 人口減少を直視せよ―今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ―「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ―日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ―「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ―「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ―日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ―「大人の学び」は制度で増やせる

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