ここ1、2年、静かなマイ仏像ブームが続いているので、仏像についてちょっと真面目に勉強しようかなと思い手に取った一冊。飛鳥時代から江戸時代に至るまで、日本の仏像の受容・変容が時代を追って解説されている。もともとは、雑誌『太陽』の別冊として刊行されたものを手直しして発行されたものとのことだ。
系統的に学ぶには良いテキストだろうが、私にはやや教科書的すぎて、面白みに欠けた。巻頭にカラー写真、各章の中でも適宜白黒の仏像写真が載っていが、写真付きは紹介されている仏像の一部に過ぎないので、文章を読んでいるだけでは様子がわからない仏像がある。まぁ今の世の中なので、Google先生に聞けばすぐに画像が出てくるのでありがたいのだけど、一つ一つググるのも面倒。
何を求めて本書を読むのかの目的意識が明確でなかったのがまずかったと思うが、初学者の私には少々レベル高すぎだった。
目次
第1講 仏像の黎明―飛鳥時代(仏像の渡来と飛鳥時代の開幕
法隆寺の造像と飛鳥時代前期の金銅仏 ほか)
第2講 古典の完成―奈良時代(平城京の寺と仏像
法隆寺の塑像 ほか)
第3講 転形と模索―平安時代1(遷都と仏教の革新
転形の時代 ほか)
第4講 和様と耽美―平安時代2(平安時代後期の盛期と定朝
平等院鳳凰堂 ほか)
第5講 再生と変奏―鎌倉時代1(鎌倉時代の開始
運慶の御家人造像 ほか)
第6講 伝統の命脈―鎌倉時代2・南北朝時代以後(鎌倉時代後期
南北朝時代
室町時代
桃山時代
江戸時代)