その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ミッキーのプロコ・プロで松田華音さんのピアノを聴く! 東響/指揮 井上道義 プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ほか

2021-06-13 07:49:28 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

今シーズン、久しぶりに東響のオペラシティ会員に復帰。初回の公演は都合で行けなかったので、私には今回がお初です。新しいマイシートは3階席右サイドで、ステージの三分の1程が視界から隠れてしまうのが残念ですが、こじんまりアットホーム感が漂うこのホールは好きなホールです。

この日は井上道義さん(以下、ミッキー)のプロコフィエフプログラム。期待感が高まります。
前半のピアノ協奏曲第3番のソロは、幼いころからロシアで音楽教育を受けた松田華音さん。コロナで来日できなかったアレクサンダー・ヴォロディンというロシア系ピアニストの代役としての登場で、私は初めて聴くピアニストです。目が覚めるような濃いピンクのドレスで現れた松田さんは、まだお若い(20歳代半ば)ですが、堂々としていて、きりっとした美しさがありますね。一方で、演奏が始まると、どう猛な肉食獣のようにピアノと音楽に立ち向かうような積極果敢な姿です。一つ一つの音が明確で、力強く、意思を感じます。音に満ち溢れているプロコのこの曲を、一気呵成に疾走する演奏が強い印象を残しました。オケも木管陣の活躍やアンサンブルが素晴らしく、ピアノとしのぎを削る熱演でした。

後半の「ロメオとジュリエット」組曲からの抜粋はミッキーの真骨頂が発揮。ミッキーのダンス付きの指揮姿に導かれ、バレエが目に浮かぶ楽しさ満載の演奏です。演奏も管・弦それぞれの個人技やアンサンブルがお見事で、プロコの世界を満喫。昨年冬のN響との「シンデレラ」にはニュアンス表現の細かさで及ばない印象でしたが、これは演奏ではなくて、サントリーのP席でミッキーの表情を見ながら聴いたせいでしょう。

会場の入りは半分強といった感じでしたが、ホール一杯に響く大きな拍手が寄せられました。私も満足感一杯で、指揮者とオケに拍手。

東京オペラシティシリーズ 第121回
東京オペラシティコンサートホール
2021年06月12日(土)14:00 開演
出演
指揮:井上道義
ピアノ:松田 華音
曲目
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲より
モンターギュ家とキャピュレット家、朝の踊り、ロメオとジュリエット、情景、メヌエット、朝のセレナーデ、アンティル諸島の娘たちの踊り、タイボルトの死、ジュリエットの墓前のロメオ

Tokyo Opera City Series No.121
Sat. 12th Jun 2021, 2:00 p.m.
Tokyo Opera City Concert Hall

Artist
Conductor : Michiyoshi Inoue
Piano : Kanon Matsuda
Program
Prokofiev : Piano Concerto No.3
Prokofiev : Romeo and Juliet (Michisyoshi Inoue SELECTION)


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