その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

代打成功! N響10月Cプロ、指揮:高関健、シベリウス交響曲第2番ほか

2023-10-22 07:30:07 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

この秋の楽しみの一つであった10月のN響・ブロム翁祭り。残念ながら、ドクターストップということで来日は不可となった。寂しいし残念だが、これはこれで致し方ない。ブロム翁には健康最優先でお願いしたい。

という中で開催されたCプロだが、代役となった高関さんがビシッと好リリーフを決め、満足感高い演奏会となった。

冒頭のニルセンの〈アラジン組曲〉は初めて聴く曲だが、エキゾティックで多彩なリズムやメロディが楽しい。N響の演奏はこの音楽ならもっと弾けても良いんではと思うほど、端正で管弦打楽器がバランス取れてまとまっていた。ある意味とってもN響らしい感じがした。

メインはシベリウス交響曲第2番。N響定期でもしばしば取り上げられる曲だし、手元の記録には無いのだが、ずーっと以前ブロム翁もN響定期で振られた記憶がある。

今回、高関さんが創ったシベリウスは楷書体のイメージだった。構造がしっかりしていて、実に見通しが良い。一線一画がクリアで迷いが無い。この楽曲の良さが自然に聴きとれた。

マロさんがコンマスを務めたN響も前のめりで応える。弦のアンサンブル、管の個人技、全体のバランス、どれも素晴らしい。熱い演奏なんだけど、力任せでない。金管陣がよく響いたし、オーボエの吉村さんの柔らかな音色もファンとして嬉しい。

もともとはブロム翁目当てではあったかもしれないが、9割近く埋まっているように見えた客席からも大きな暖かい拍手が寄せられた。ブロム翁の代役というのも、普段とは違うプレッシャーがあったと思うが、高関さんもほっとされているのではなかったか。

第1993回 定期公演 Cプログラム
2023年10月21日(土) 開演 2:00pm(休憩なし) [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

ニルセン/アラジン組曲 作品34 -「祝祭行進曲」「ヒンドゥーの踊り」「イスファハンの市場」「黒人の踊り」
シベリウス/交響曲 第2番 ニ長調 作品43

指揮:高関 健

No. 1993 Subscription (Program C)
Saturday, October 21, 2023 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Nielsen / Aladdin, suite Op. 34—Oriental Festive March, Hindu Dance, The Market Place in Ispahan, Negro Dance
Sibelius / Symphony No. 2 D Major Op. 43

Conductor: Ken Takaseki

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