私にとっては、3ヶ月連続の渋谷らくご。今月は青森祭り。二つ目の三遊亭青森さんが会期の5日間すべてトリを務めるという、かなりエッジの効いた企画である。これは1回はどこかで見たいと思っていたのだが、スケジュールがなかなか合わず、やっとのことで楽日の公演に駆け付けた。
青森さんのことをサンキュータツオさん(渋谷らくごのキュレーター)がよっぽど買ってるのだろう。毎月、出演がある上に、今回の通しでのトリである。私は9月のしぶや落語で聞いたのが初めてだったが、粗削りでスケールの大きさを感じる若手噺家さんとの印象だった。この日は、5日間シリーズの最終日とあって、会場にも多くのファンが集い、温かい雰囲気にあふれていた。
開口一番は、春風亭一花さん。名前は知っているが、生で聞くのは初めて。とっても歯切れよく、聞きやすい。表情もチャーミングで、表現豊か。
続いたベテラン2人は、ベテランならではの年輪を感じる芸。文蔵さんは9月に続いて連続。自宅に入った泥棒とのやりとりをするお梅の演技の可愛らしいこと。本人のごつい顔とのギャップがたまりません。
八光亭春輔さんは全くの初めて。青森さんに最も噺を教えた人らしいですが、ご本人も渋谷落語初登場とのこと。落ち着いた佇まいから発せられる、独特のリズムに乗った言葉が心地よい。落語の後には寄席踊り、奴さん姐さんもご披露頂いた。
そして、いよいよ青森さん。どこまで本当かわからないが、ご自身の高校時代の恋愛を辿る<マイファーストキッス>。青森さんならではの情熱、パワー、勢いが伝わる演目だった。青森祭りのフィナーレでの、これからに向けた決意表明でもあった。これから青森さんがどう成長していくのかは、とっても楽しみ。
全くの私見だが、落語の後に、おまけで自作の歌を歌うのは賛成できないなあ。落語の「余韻」が覚めるし、正直、歌としての芸としてはまだまだなので・・・。まあ、これもいろんな芸にチャレンジする機会を与えるシブラクのいいところなのかな?
まだまだ落語初心者の私ですが、私にとってシブラクは最も好きな落語の場になってる。来月は9周年記念。応援します。
渋谷らくご5日目
10月17日(火)20:00-22:00
「渋谷らくご〜下北半島の怪物 三遊亭青森五日間day5〜」
春風亭一花-粗忽の釘
橘家文蔵-転宅
八光亭春輔-甲府い
~奴さん姐さん~
三遊亭青森-マイファーストキッス
来場者数 75名