(11月の演奏会。今さらですが、感想です)
来年の引退を宣言しているミッキーのマーラー、それも「復活」とあれば行かないわけにはいかない。私としては稀な、特上の席を購入して、サントリーホールへ。
並々ならぬ決意を感じるオーラ一杯の指揮姿。体のどこが悪いのかは、傍目には微塵も見せない。気持ち入った熱演なのだが、音楽自体は抑制的で厳しさに溢れるものだった。読響もミッキーに前のめりで応える。
独唱のお二人も素晴らしい。私にとって初顔のメゾソプラノの林眞暎さんは、やや硬質、透明感ある歌唱。新国立合唱団は相変わらず、素晴らしいパフォーマンス。
抑制された音楽が、最終楽章で一気に爆発する。高揚した気持ちの中、フィナーレは涙なしには聴かれない。
ホール一杯の大拍手に包まれて、カーテンコールでは演奏では見せなかった体痛そうな素振りもあった。一方で、バレエの回転も見せるなどミッキーらしいお茶目さも満載。元気いっぱい貰い、記憶に残る演奏会となった。
次のミッキーは2月のN響でショスタコーヴィチ。こちらも聴き逃がせない。
2023 11.18〈土〉14:00 東京芸術劇場
指揮=井上道義
ソプラノ=髙橋絵理
メゾソプラノ:林 眞暎※
合唱=新国立劇場合唱団
マーラー:交響曲 第2番 ハ短調「復活」