その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

レギュラー入り希望! N響11月C定期、指揮 アンドレス・オロスコ・エストラーダ、ショスタコーヴィッチ交響曲第5番

2024-11-18 07:30:20 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

ヤマカズさんに続いて11月定期はエストラーダさん。N響とは初共演とのことですが、Youtubeでhr管を指揮しているのを視聴したことあるので初めての気はしません。プログラムによると、欧州で広く活躍中のようです。私も高い期待度を持って、NHKホールへ到着。聴衆は前週よりも若干少なく、7割強の入りという感じでした。

ちょっとスロー過ぎやしないかと思ったところもありましたが、スケール感一杯の「タンホイザー」に続いては、ヴァインベルクのトランペット協奏曲。ソロ奏者のラインホルト・フリードリヒさんは、今年66歳ということですが、大きな体に小さなトランペットをもって、余裕の態で飄々とステージに現れます。既にオーラがすごい。

楽曲は初めて聴くものですが、曲風や曲想に変化の多いなかなかの曲者な音楽です。私の理解の範疇を超えるものでしたが、フリードリヒさんの突き抜けるようなトランペットの音色に耳を奪われます。指揮者、オケを見回し、音楽を一緒に楽しもうという雰囲気が満載で、視覚的にも楽しいです。

アンコールは日本の「さくらさくら」。しんみりと、聴かせて頂きました。

後半のショスタコーヴィッチの交響曲第5番は、エストラーダさんとN響の持ち味が炸裂した名演でした。エストラーダさんの指揮は、強弱のメリハリが明確で、柔と剛を使い分ける二刀流。そして、パーヴォさんを想い起すような機能的な指揮の一方で、情と熱量もたっぷり。オケをドライブする力が強烈で、N響からいつも以上の力の籠った音を引き出していました。

N響も、透明感一杯で一糸乱れぬ弦陣のアンサンブル、各木管楽器の美しいソロ、そしてフリードリヒさんの熱量が乗り移ったのではないかと思うような金管の咆哮。更に、盛り上げ処をしっかり抑える打楽器陣。非の打ちどころない演奏でした。

終演後の拍手も前週を上回るほど。しかも、この演奏会がN響団員としては最後となるというファゴットの菅原恵子さんへの花束贈呈もあり(なんと、フリードリヒさんも花束贈呈に参加)、暖かい拍手に満ち溢れたNHKホールでした。

エストラーダさんの名前が来年の定期演奏会には無いのは残念ですが、今後も定期的に招聘し、複数のプログラムを振ってほしいと強く希望します。

定期公演 2024-2025シーズンCプログラム
第2023回 定期公演 Cプログラム
2024年11月16日(土) 開演 2:00pm [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
ヴァインベルク/トランペット協奏曲 変ロ長調 作品94
ショスタコーヴィチ/交響曲 第5番 ニ短調 作品47

指揮:アンドレス・オロスコ・エストラーダ
トランペット:ラインホルト・フリードリヒ

 

Subscription Concerts 2024-2025Program C
No. 2023 Subscription (Program C)
Saturday, November 16, 2024 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Program
Wagner / Tannhäuser, opera―Overture
Weinberg / Trumpet Concerto B-flat Major Op. 94
Shostakovich / Symphony No. 5 D Minor Op. 47

Conductor: Andrés Orozco-Estrada
Trumpet: Reinhold Friedrich

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