その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

王道プログラムの王道演奏:N響定期1月Cプロ/指揮 アクセルロッド/ブラームス 交響曲第3番ほか

2022-01-23 07:30:36 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

オミクロン株によるコロナ感染者の爆発的増加で前日から蔓延防止策が発効している1月Cプロ2日目でしたが、チケットの予定枚数は完売で、お客さんも8割ぐらいは埋まっていました。ブルッフのヴァイオリン協奏第1番、ブラームスの交響曲第3番という馴染みある名曲で揃えたプログラムは、正月明けの数週間、業務多忙で心身ともに疲れていた私には、安心できるとっても嬉しいものでした。

1曲目のソロは服部百音さん。初めて聴く方です。薄いベージュのドレスの服部さんは、小柄ですが、演奏が始まると、堂々としていて大きく見えます。演奏はとっても丁寧で、かつ過度の装飾が無いストレートなところが私には好感度高いです。しかも、ヴァイオリンの音は濁りなく美しい。聞き惚れてしまいます。ロマンティックなブルッフの曲を堪能しました。

終演後は会場から万雷の拍手。娘というか、孫を見るようにマロさんが目を細めて、賞賛を送っているのも微笑ましい。アンコールはイザヤから。これも目茶、難しそうな曲ですが、難なく(のように見える)捌き、固唾をのんで耳をそばだてていた聴衆から、大きな感嘆の拍手が送られました。

休憩なしの後半のブラームスの3番。ソヒエフさんの代役で入って頂いたアクセルロッドさんのおおらかでスケール大きな音楽作りとクラリネット、ホルンと言った管楽器の主席陣の活躍がとりわけ素晴らしい印象です。弦も良く鳴っていました。第4楽章の盛り上がりは、先週・今週の個人的なストレスと疲れを吹き飛ばしてくれる豪快なもので、気分良かった。

私のコンディションにぴったりだったこの日のプログラムと名演。大袈裟ですが、音楽って、本当に日々の糧であり、うるおいですね。アクセルロッドさん、N響の皆様、ありがとうございました。

 

第1949回 定期公演 池袋Cプログラム
2022年1月22日(土)開演 2:00pm(休憩なし)
東京芸術劇場 コンサートホール

指揮:ジョン・アクセルロッド
ヴァイオリン:服部百音

ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26
ブラームス/交響曲 第3番 ヘ長調 作品90

No. 1949 Subscription (Ikebukuro Program C)
Saturday, January 22, 2022 2:00p.m.
Tokyo Metropolitan Theatre 

John Axelrod, conductor*
Moné Hattori, violin*

Bruch / Violin Concerto No. 1 G Minor Op. 26
Brahms / Symphony No. 3 F Major Op. 90


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