その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

空いている京都!:初めて平等院を訪れる

2018-09-25 07:30:00 | 旅行 日本
 この8,9月は私としては珍しく、プライベート・仕事の双方で国内外をあっちこっち行ってます。先週末(9/15・16)は所要で京都に出かけたので、その機会を利用して京都観光を少しばかり楽しみました。

 2日間で2回タクシーを利用したのですが、2人の運転手さんが口を揃えたように言っていたのが、「お客さん、良い時に来ましたね~」。というのは、9月頭の関西地方直撃の台風で関空(へのアクセス)が機能しなくなっていたため、中国からのお客さんがここ数日激減しているとか。「久しぶりに、落ち着いた京都ですな~」(とっても優しい京都なまりな語りでした)。確かに、思いのほか観光客も多くなく、ストレスなく観光スポットを巡ることができました。、昨夏に京都を訪れた家人が、「あんな人だらけの京都にはもう当分行かない」と疲れ果てて帰ってきたので、混雑覚悟でしたが予期せぬ幸運でした。

 初日に訪れたのは、宇治の平等院。世界遺産でもあり超有名なスポットですが、私は初めて。ご存じのとおり10円玉の表面にデザインされている寺院です。1052年に藤原頼道が造営したこの寺院は、「西方極楽浄土とその教主である阿弥陀如来を観想(特定の対象に心を集中させること)するために造られたとするのが定説」(Wikiから引用)とのことです。当日はお天気が心配でしたが、何とか持ったのも阿弥陀様のお導きでしょうか?



 初めて見た鳳凰堂は想像していたよりはこじんまりとした御堂でした。ゴールデンウイークに訪れた厳島神社のイメージが残っていたからかもしれません。でも実に絵になる佇まいですね。浄土式庭園を池に沿って歩いていると、極楽浄土の世界が自然とイメージされます。







 鳳凰堂の入場指定時間(別売りの入場券を購入)まで1時間あったので、その間に、平等院の宝物館とも言える「平等院ミュージアム鳳翔館」を訪れました。これが近代的な非常に良くできたミュージアムで、国宝の梵鐘や鳳凰のオリジナルが身近に見れてお勧めです。鳳凰堂にあった木造雲中供養菩薩像 52躯のうち半数の26体もここで展示されています。雲に乗った様々な楽器を持った菩薩様一群が何とも可愛い。かぐや姫を迎えに天から降りてきた一団を思い出しました。

 鳳凰堂見学までまだ時間があったので、ミュージアムに隣接する茶房でお茶を一杯。普段抹茶を飲む機会はほとんどありませんが、せっかく宇治に来たんだからお茶ぐらい飲まないと。私には味は良くわかりませんが、香り良い抹茶は疲れた体に染みわたります。



 鳳凰堂は待ってでも入る価値ありますね。堂内の中央に坐する阿弥陀如来坐像を見ると何もかも自分が見透かされた感じ。周囲の壁にはミュージアムでみた木造雲中供養菩薩像が掛けられ、色は褪せてますが極楽浄土図も描かれています。ミュージアムで身近にみるのと、また暗くて良くわからないところはあるものの、本来あるべきところにあるものがある自然さの両方が楽しめるのが良いです。


《お堂のなかは撮影禁止なので、池の向こうからズームで撮ったお堂の阿弥陀如来様》

 鳳凰堂を出て、今一度、浄土庭園を散歩し、ミュージアムへ行って復習。仏様に怒られそうですが、動物園の動物と、自然の中にいる動物の両方を見ている感じです。


《鳳凰堂の屋根に輝く鳳凰》


《敷地内にある源頼政の墓所》

 約二時間、十二分に楽しんで平等院を後にしました。

 2018年9月15日
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