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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団 ドニゼッティ Maria di Rohan

2009-11-11 07:27:09 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 一度は行きたいと思っていたOrchestra of the Age of Enlightenment(エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団)のコンサートに初めて出かけました。非常に面白い演目で、埋もれた19世紀のオペラ作品を主に掘り起こしているOperaRaraとの協業で、ドニゼッティのMaria di Rohanというオペラをコンサート方式で演奏しました。

 素晴らしい演奏と歌唱でした。OAEの素晴らしいアンサンブルとソプラノのKrassimira Stoyanova、テノールのBrindley Sherrattのうっとりするような歌声が絶妙のコンビネーションで至福の2時間を頂きました。

 OAEの皆さんは、古楽器を使うのですが、形は似ていても、音は通常の楽器とは微妙に違います。どう違うかを私には表現できないのが残念ですが、中規模の編成で非常に温かみのある、優雅な音楽を奏でてくれました。

 ソプラノのKrassimira StoyanovaとテノールのBrindley Sherrattは抜群でした。Stoyanovaの歌声は、しっとりと湿り気のある、聴いていて安心する歌声です。また、Sherrattも圧倒的な声量でねじ伏せるという感じではなく、「美しい!」と心から叫びたくなるようなうっとりする歌声でした。この日はかなり奮発して良い席を買ったのですが、それでもロイヤルオペラハウスのチケットに比べたら、5分の一ぐらい。オペラでは、こんなに近くで聴くことはできないし、本当に良かったです。

 指揮のマーク・エルダーもドニゼッティの美しいメロディを更に美しく彩ってくれました。





拍手にこたえて、アンコールで(エルダーが「今回の初版版にはない、後のパリ向けに作られた」と解説してくれたように聞こえましたが、確かではありません)素晴らしく美しいデュエットを歌ってくれました。



Sat 7 November 2009 7.00pm
Royal Festival Hall
Death, Duels and Love
Donizetti Maria di Rohan
(concert performance)

Sir Mark Elder conductor
Krassimira Stoyanova Maria, Contessa di Rohan
Christopher Purves Enrico, Duca di Chevreuse
Brindley Sherratt De Fiesque
Jos・Bros Riccardo, Conte di Chalais
Loïc Felix, Armando di Gondi
Geoffrey Mitchell Choir

※Orchestra of the Age of Enlightenment(Aspenのホームページhttp://www.aspen.jp/artist/foreign/2008/AgeofEnlightenment.htmlから抜粋)
1986年、イギリス古楽器界の精鋭たちが協同で出資し、自主運営のオーケストラとしてエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団(OAE)を結成。結成後たちまち頭角を表わし、さらに1992年、フランス・ブリュッヘンとサー・サイモン・ラトルを客演常任指揮者に迎え新たな栄光への道を歩み始める。ブリュッヘンとラトルは、ともにOAEの方向性を「古楽器が作られたその時代の正統性と、我々が生きる現代における価値を結合させること」と定義している。それは国際的な指揮者たち-マッケラス、ノリントン、クリスティ等-と頻繁に共演することによって更に堅固なものとなるほか、また古楽器ではあまり聴かれないロマン派の作品を演奏することからも象徴される。OAEはロイヤル・フェスティバル・ホールのアソシエート・オーケストラと、ブリスドルのセイント・ジョージ・ホールのレジデント・オーケストラを務めるほか、1989年ラトル指揮による「フィガロの結婚」に招かれて以来、グラインドボーンでも定期的に演奏を重ねている。バーミンガムのシンフォニー・ホール、パリのシテ・ドゥ・ラ・ミュージック、ニューヨークのリンカーン・センターでも定期的に活動を行なう。ツアーはすでに17カ国を越え、2002年初頭にはパリ・シャトレ劇場にてクリスティ指揮「ロデリンダ」を、さらにラトル指揮で「フィデリオ」を上演。1999年のザルツブルグ音楽祭では、ラトル指揮によりラモーの「ボレアード」を演奏し話題となった。
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ロンドン ハイドパーク ジョギング11月

2009-11-10 03:42:08 | ロンドン日記 (日常)
 先月16日にアムステルダムマラソン参加以来のジョギング。3週間、公私に忙しかったこともあり、まったく走っていなかった。体は正直なもので、この3週間であっという間に2キロのゲイン。今日、久しぶりに走ったものの、体が重くて重くて、我ながら、本当に先月フルマラソンを完走したのだろうかと思った。

 11月も半ばになると、木の葉も随分落ち、公園の様子も随分変わっていました。恒例の、定点写真レポートです。

めっきり晩秋です。


先月までは葉が残っていた木も丸裸になりました


池も随分寒々しいです。でも、中央右に寒中水泳をやっている人がいました。


雲がもう秋の雲ではありません。冬の雲です。


なんとなく寂しい雰囲気ですよね。


 ※10月の定点観測記はこちら
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さらば×××ハウス!

2009-11-08 22:15:36 | ロンドン日記 (日常)
 1年近く住み慣れたこのフラット(アパート)もいよいよ引っ越しとなった。昨日荷物の運び出しを行い、今日は最後の仕上げの掃除に来ているが、もともと置いてあった、食卓とソファー、ベッドぐらいしか残っていない部屋は何とも寂しい。

 大家の退去命令に従い、出ていかざる得ないのだが、たった1年でもいろんな思い出がよぎる。まあ、大半は、電話がなかなかつながらなかったり、お湯が出なくなったり、水漏れがすると階下の住人から苦情を受けたりなどの苦労話だが、管理人もとても良い人だったし、アットホームで、非常に暖かい感じがするフラットなところが非常に気に入っていた。

 昨日、管理人とも別れのあいさつを交わしたが、「とても寂しいが大家の都合じゃしょうがない。近くに引っ越すのだから、また、いつでも遊びに来てくれ」と言ってくれた。見たとこ70歳を超えているかもしれない、孫もいる人だが、いつもネクタイを締め、スーツかブレザーを着こなすこの管理人は私のなかの、いわゆる英国人の「執事」そのものであった。荷物を預かってもらったり、水周りのトラブルの相談に乗ってもらったり、いろいろ世話になった。ありがとう。

 これから、お世話になったご近所パブにも、サンデーローストを食べるついでに、もうそう頻繁にはこれなくなることを伝えに行こう。1年足らずの生活でも、いろんなところで、なじみができているのだと思う。また、新しいところでも、新しい出会いを期待したい。
コメント (2)
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草食男子・肉食男子

2009-11-07 00:07:00 | ロンドン日記 (日常)
昨日のTimes紙に見開き1ページ半を使って、日本の男の子の価値観、行動様式の変化を紹介した記事がありました。
※記事の一部はこちらからWebで見れます

これまでの、サラリーマンの価値観(肉食系)から、内気で、物静か、反競争的、会社よりもプライベートの「お嬢男」が日本の消費や文化を変えていくという内容です。日本ではこの手の話題は珍しいものではないと思いますが、イギリスのTimes紙にここまで詳しく紹介されるというのも面白いと思いました。どの国にも世代間の違いはあると思うのですが、この日本の変化は特別に見えるのでしょうか?

肉食系、草食系の比較表がありましたが、自分は明らかに・・・ですね。
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アムステルダム日帰り出張

2009-11-06 23:41:59 | ロンドン日記 (日常)
つい3週間前にマラソン大会参加で訪れたばかりのアムステルダムへ今日は日帰り出張。朝7:30の飛行機で10:30前にオフィスに到着し、夜の8:30の飛行機で帰ります。

今日は初めてロンドン・シティ・エアポートを利用したのですが、これが大あたり。場所がロンドンの東端にあるため、自宅からはまったく正反対の方向になるので、今までは使う機会があまりなかったのですが、地下鉄と電車を1回乗り換えるだけで、ドアツードアで45分で着くことがわかりました。

なお、良いのは、こじんまりとした小さい飛行場なので、荷物検査とかとか、チェックインの手続きが非常にスムーズ。家を出て、1時間後にはもう、いつでも搭乗できる状態でした。なぜ、もっと早くこの飛行場を使わなかったのか、少し後悔。
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引越し準備

2009-11-05 03:23:46 | ロンドン日記 (日常)
 どうも最近、公私にいろんなイベントが重なりすぎていて、心身ともにお疲れ気味で、仕事の集中度も我ながらイマイチ。昨日も飲み会(3連戦)で、部屋に戻ったのは0時を廻っていたので、早く定常ペースに戻さなくては。そう考えつつ、今週末は、(大家からの立ち退き依頼により)いよいよ引越しで、準備に追われています。引越しと言っても、転出先は今のアパートから1キロぐらいしか離れていませんが。

 11ヶ月住んだだけですが、モノがとても増えているのにびっくり。段ボール数箱を日本から運びこんで始まったここの生活も、随分、膨らんだなあと改めて驚きました。部屋の全てのものを片付けると言うのは、ほんとエネルギーが要ります。これから、また電話だ、電気だと、またイギリスの公共サービス機関と格闘しなくてはいけないかと思うと、それも気がめいります。

 今のフラット(アパート)は、一人住まいには丁度良い大きさで、大きすぎず狭すぎずのところが、とっても居心地が良く気に入っていました。なので、引越しはとても残念なのですが、仕方ありません。今度の住まいは多少広くなりますが、作りが何となく、今より安普請のような感じがするので、実際に住んでみてどうか少し不安です。まあ、帰って寝るだけだし、週末も殆ど部屋の中には居ることがないし、きっと「住めば都」だろうとは思っていますが・・・

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Hairspray (ヘアスプレー)

2009-11-03 09:00:26 | 映画
 ロンドンでミュージカルでもやっている、ミュージカル映画版。1960年代の人種差別が当り前の米国バルティモアを舞台に、ダンスを通じて、自分の人生を切り開こうとする太めの女の子トレーシーのがんばる記。

 良質のアメリカ映画。楽しい、笑える、元気が出ると3拍子揃った傑作。各俳優さんが実に活き活きと演技をしているのが素晴らしい。歌もノリよく、ミュージカルならではの楽しさ満載。

 間違いなくお勧めです。
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私の中のアメリカ

2009-11-01 05:56:14 | ロンドン日記 (日常)
 こちらに来て、まもなく1年間になります。この1年経って感じることの一つに、如何に自分がアメリカカルチャーの影響を受けてきたかということを再認識するということがあります。映画、TVドラマ、スポーツを始めとするエンターテイメントに加え、政治、社会、 ビジネス、あらゆる米国情報、価値観に取り囲まれていたことに今更のように気付きます。 

 と言うのも、1年経ってやっと、イギリスの政治の仕組みや社会の価値観、スポーツの楽しみ方等が、分かるようになってきて、新聞記事の意味合いとかが理解できるようになってきたからです。逆に言うと、1年かかったということです。当たり前のようですが、これまでの自分が思っていた外国文化とかというのは、その殆どがアメリカだったんですね。映画一つにとっても、見ているのは殆どアメリカ映画だったですし。

 そういう点で、イギリスで生活すると言うのは自分の中にもう一つの視点(軸)をもたらしてくれたという意味で大変、良かったと思います。欧州の中ではきわめてアメリカに近いとされるイギリスですが、それでも、アメリカとは違いますから。自分の成り立ちを相対的に理解するのにとってもためになります。
コメント (1)
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