劇場公開されている時に気にはなっていたのだが、結局見過ごしたので、DVDを借りてみた。町のコーラスグループで歌う老夫婦の物語。イギリス映画らしい、派手さはないが、身近で心温まる人間ドラマ。
前半は、見ていて他人ごとではないような気がして怖かった。主人公の常時不機嫌で頑固な老人アーサーのことである。最近、加齢とともに妙に気が短くなって、怒りっぽくなってきている覚えがある私には、年齢設定的には数十歳年上である老人アーサーが、何か私の将来を暗示しているようにも思えてしまったからだ。 ああいう老人にはなりたくないなぁって。でも最終的には、アーサーは自分の殻を破って、一歩前に出る。人間この気持ちがいくつになっても必要だ。
映画は、主要俳優陣の演技がしっかりしているのでとても安心感、安定感がある。アーサーの奥さん役のバネッサ・レッドグレーブはベテランの味たっぷりだし、コーラスのインストラクターを演じたジェマ・アータートンがかわいい美人で、聞き取りやすいイギリス英語が嬉しい。ストーリーも起承転結がはっきりしていて、飽きさせない。
素直に楽しめる佳作。
スタッフ
監督ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
製作ケン・マーシャル、フィリップ・モロス
製作総指揮アリステア・ロスタラ・モロス
キャスト
テレンス・スタンプ アーサー
バネッサ・レッドグレーブ マリオン
ジェマ・アータートン エリザベス
クリストファー・エクルストン ジェームズ