フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

絶滅危惧Ⅱ類のゴマノハグサはネットでも希少掲載種でした

2010年07月17日 11時21分48秒 | Main

サクラソウ自生地でゴマノハグサの花穂を撮っていたら蜂が飛んできた。普通に見られるオオフタオビドロバチで珍しくもないがグッドタイミングだった。

ゴマノハグサは確か絶滅危惧Ⅱ類(VU)だったと思い、環境省のネットの絶滅危惧種検索をしてみると「該当するデータは存在しません」だった。記憶違いかと思ったが「平成18年から平成19年の間の新たなレッドリストは、この検索システムには反映されていません」の但し書きがあった。


10年7月3日に撮った若い個体で、大きいのは1.5mくらいになります

仕方なしにグーグル検索をしてみるとゴマノハグサ科ばかりで、ゴマノハグサ単独種の項目は殆ど無く、ここでも絶滅危惧Ⅱ類の確認はできなかった。何でこんなにマイナーなんだと中っ腹になりながら平成19年10月05日修正版のレッドリストでようやく確認した。


長さ約6mmの小さなツボ形花冠をたくさん付けます

ゴマノハグサで検索するのにゴマノハグサ科ばかりが並ぶのは、大所帯で多くのポピュラーな種を含むことの証左でもあるのだろうが、便利な検索システムにも思わぬ弱点がある事を初めて知った。

さいたま市の荒川堤と水田の花のホームページに二十四節気の小暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地をアップしました。


ナンキンキノカワガはどこでどう区切ったらいいのか悩みました

2010年07月15日 06時58分22秒 | Main
先日見つけたナンキンハゼ(7月8日ブログ)の雌花を確かめに行ったが、黄色い尾を垂らしたような花穂はほとんど見えなくなっていた。
それでも良く見ると雌花が咲いている花穂がアチコチに見られた。あいにく風が強くなり花穂を撮るには揺れすぎるので葉の茂った茎を持った。焦点を合わせるのに夢中になっていたら指に痛みが走った。慌てて枝を放した。そしてよく見ると葉の裏に何かついている。毛虫だ。毛虫がびっしり付いていた。


花穂の先に雄花がつき根元の方の巻いているのが雌花
雌花をアップにしていたすぐ下の葉裏にもナンキンキノカワガ

こどもの頃桜の木から落ちてきた毛虫に毛を植えられて腫れた事を思い出した。痛みはあったが毛は植えられてない。しばら断続的な痛みがあったが、15分くらいでどうやらおさまった。


刺されてよく見た葉裏に5匹。葉が半分食べられているが・・・

調べてみるとナンキンキノカワガ(南京木の皮蛾)の幼虫らしい。年間を通して見られる普通の蛾のようだが名の通り幼虫はナンキンハゼを食草とし、成虫は木の皮の模様によく似たあまり見栄えのしない蛾のようで、何となくガッカリした。

梅雨の合間の青空にチョウゲンボウもしばしの虫干しでした

2010年07月10日 22時46分25秒 | 花の和名

ようやくマンスリーレポート27の6月分をアップした。
朝からの青空に荒川土手に向かった。


ヨシの間からのぞいていたホソバオグルマの蕾たち(7月7日)

7日に道場4丁目の公有地にはホソバオグルマが多くの蕾を付け群生していたが、近くで除草が始まっており同日中に刈り取られてしまいそうだと思った通り、今日はきれいサッパリ何も無くなっていた。

荒川堤防上は澄んだ青空と透明な景色が素晴らしかったが、盛土部分を含めて殆ど見るべき野草は無く、偶然チョウゲンボウが近くの杭に飛んで来てくれたのがラッキーだった。
チョウゲンボウはタカ目ハヤブサ科の漂鳥。ハト大で長い尾が特徴。ホバリングしながら獲物を探し急降下してネズミ、小鳥、虫などを捕えるという。

荒川自転車道迂回路はクズが大きな葉を迂回路まで伸ばし始め12~3日で風景が一変していた。一部ではメハジキが群生しクズのよじ登り植物の格好の対象となっていた。よく見ると傷んでいる花が多く、シーズンも後半に入っているようだった。シソ科の多年草で子供達が短く切った茎を目の上下に挟んで開かせたのが名の由来という。


トウダイグサ科は草本から高木まで多くの種がある科と知りました

2010年07月08日 11時51分19秒 | 花の和名
淡黄色の尻尾のような物をたくさんぶら下げた木が目に付いた。何だろうと橋を渡ろうとしたら手前の橋のたもとにもあって芳香を放っていた。15cmくらいはある長い総状花序に小さな花らしからぬ花をたくさんつけてミツバチや蝶が盛んに来ていた。


最初に目についた大きなナンキンハゼの木

ナンキンハゼ(南京櫨)で花序の基部に2~3個の雌花をつけ他は多くの雄花で花弁は無く、雄花は皿状の萼が浅く2~3裂し雄しべが2個付くという。秋の紅葉が美しいのが名の由来のようだ。
ハゼと名がつくがウルシ科ではなくトウダイグサ科という。


花穂を近付けるとメロンのようなさわやかな香りでした
雄しべと萼だけでも蜜は多いのでしょうか

先日、渡良瀬遊水地の谷中湖畔で雨滴をつけた花穂にミツバチが忙しく飛び交っていたアカメガシワもトウダイグサ科だった。

トウダイグサ科は草本から高木まで様々あり、おもに熱帯から亜熱帯に多く世界に約300属、8000種があり日本には9属が分布するという。
大きな科で将来はいくつかの科に分かれると予想されているようだが、木本と草本の違いがあるとはいえ春にサクラソウ自生地で隆盛を誇ったノウルシと同じ科だとはとても思えなかった。

渡良瀬遊水地の観察会は将に野生の観察会でした

2010年07月04日 19時13分36秒 | Main

渡良瀬遊水地の観察会に参加してきた。
広大な敷地の中の観察会はヨシやオギをかき分けての将に野生の観察会だった。


これから目の前のヨシ原をかき分けて自生地に向かいます
一部では水溜りに入りながらようやくたどり着いた自生地

観察会の前にご案内役の大和田先生とお話しする機会に恵まれ、純粋なノジトラノオの自生地は全国にも数少ない事、ノジトラノオの特徴の一つは花穂の先に線状の苞が付く事、そして交雑種が多く確かめるのはDNA鑑定によるしかない事などをうかがった。
詳細は観察会で出会ったノジトラノオとその交雑種達をご覧ください。

土手の斜面では所々でピンクのネジバナやカナビキソウが、小さな花をつけていた。
カナビキソウは堤防などの日当りの好い所に生える半寄生のビャクダン科の多年草で、外面が淡緑色で内面が白色の小花をつけるが花弁に見えるのは萼片。日本ではビャクダン科の草本は2種のみで、葉緑体があり糖などは自分で作れるが水や無機質の吸収をふつう根を通して宿主に依存しているという。


カナビキソウは草丈は30cmもなく花径は5mmくらいで葉も細くて短い