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★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

12年間の別居生活

2022年01月07日 16時20分12秒 | 徒然(つれづれ)
 2006年7月から、変形性股関節症の人工股関節への置換手術に伴い、2ヵ月ほど入院したのは当ブログでも既報の通り。
 9月に退院して、自宅からの電車通勤はハードだろうと、家内と相談の上、半年ほど会社の近くに"単身赴任"することにした。

 会社から徒歩3、4分の13階建て賃貸マンションの9階に居を定め、定期代を浮かすために、会社には内緒で独り暮らしを始めた。
 結婚以来初めての独り暮らしは、学生時代に戻ったような快適さだった。
 要するに第二の青春時代だった。

 ちょうど飲み盛りの時期だったので、ピーク時は毎晩のようにハシゴ酒をしていた。
 飲み屋で知り合った連中との広く浅い付き合いも広がった。

 気がつけば、ズルズルと12年の長きにわたって、そのマンションで家内公認の別居生活を送っていたのだ。
 結婚生活の3分の1の期間を別居していたことになる。
 倦怠期の夫婦にとっても、お互いに気を使わなくていいというメリットが大きかったようだ。

 病気をすることもなく、競馬で238万馬券を当てたりと、競馬運もそこそこで、経済的に困窮することもなかった。
 人生でも一番自由で充実した時間を過ごせたと思う。

 このブログも大半はその期間に書いていたことになる。
 2009年12月から2012年1月まで、当ブログに空白があるのは、他の興味や楽しみの酒とバラの日々で、ブログを書く余裕がなかったからだ。

 そんな放埓な生活も2018年末の定年退職で終わりを告げた。
 マンションを引き払い、自宅に戻り新たな夫婦生活が始まったのだ。

 12年間の独り暮らしは、今となってはいい想い出として、記憶の引き出しの一番上に保管されている。
 
 

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デジャブ体験

2022年01月07日 15時12分43秒 | 徒然(つれづれ)
 故郷の村は、両側を海と山に挟まれた細長い土地だった。
 中学校から家まではほとんど一本道で、登下校には徒歩で4、50分ほどかかった。

 たまに僕たちは禁止されていた山道を通って帰っていた。
 そのルートは国道や県道と違い、いろんな方向に枝分かれしていた。

 ある日、それまで通ったことのないルートを進んでいくと雑木林があった。
 道はその中に続いていた。

 その道を通りながら妙な既視感を覚えていた。
 初めての道なのに、通った記憶があるのだ。

 雑木林を抜ける直前にはそれが確信に変わっていた。
 ここを抜けたら家があるはずだ。
 そんな気がしていた。

 果たして、林を抜けると、畑の向こうに一軒の民家があった。
 その家にも見覚えがあった。
 以前に夢で見た光景そのものだったのだ。

 僕は言いようのない衝撃を受けていた。
 胃が熱くなったのを覚えている。
 震えていたかもしれない。

 一緒にいた友達にはそのことは言わなかった。
 僕たちはその家を遠巻きに見ながら帰途についた。

 何週間か後に、好奇心からその家の場所に行ってみたものの、雑木林も家も見つけることができなかった。
 あの体験は一体なんだったのだろう。
 

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想い出の千趣会

2022年01月07日 12時06分16秒 | 徒然(つれづれ)
 現在の通販御三家と言えば、言わずと知れた、アマゾン、ヤフー、楽天の3社だ。
 その3社が発足する前は、セシール、ニッセン、千趣会が通販業界の先頭集団だった。

 1983年、私は株式上場前の千趣会に転職で中途入社した。
 中途採用の求人広告は、梅沢冨美男を起用した朝日新聞の全面広告だった。
 企画、制作、仕入担当者若干名の採用という募集に対して、説明会に出ると30人ほどの人数が集まっていた。

 これは参った、こんな競争率では入社は無理だと、その時点で半ば諦めていた。
 それがトントン拍子に1次試験、面接、2次面接を通り、晴れて入社できた。

 あとで聞いたら、そんな説明会が4回に分けて行われたという。
 総勢120名の応募者数で、採用はたったの4名。
 そのうちのひとりが私だから、我ながら大したものだ。

 入社後、翌年には大証二部上場を果たし、その後は大証1部、東証2部、1部と急成長を遂げた。
 いろんな部署を経験したが、総じて居心地の良い職場環境だった。
 中途採用ゆえ、大それた野望などなく、管理職くらいまでは行きたいものだと考えていたが、結果はその通りになった。
 
 時は流れて、2018年末に35年間勤めて千趣会を定年退職した。
 その時には、アマゾンを始めとする巨大新興勢力の前に、セシールとニッセンはすでに他社の軍門に降り、千趣会も社業の晩秋を迎えていた。
 私はギリギリ逃げ切り世代だったのだ。

 今は引きこもり年金生活の身で、陰ながら千趣会の奇跡の再興を祈るのみだ。
 

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