★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

別居部屋の記憶

2022年01月09日 20時53分09秒 | 徒然(つれづれ)
 12年間の別居生活を送った、ワンルームマンションの部屋の記憶は、3年経った今でも鮮明だ。

 玄関ドアを開けると、左手に下駄箱がある。
 その上に部屋の鍵が置いてある。
 ほかに靴ベラと洗剤の箱と印鑑が載っている。

 下駄箱の横には全自動式の古い洗濯機。
 その横にステンレスの流し台、ガスコンロ、小型の冷蔵庫、洗面台と続く。
 それらの対面はトイレとバスルームだ。

 流しの上の小さな棚には、丼、マグカップ、スプーンが載っている。
 流しの下の扉つきのスペースには、鍋やフライパン、サランラップにアルミホイル、カップ麺やスナック菓子が乱雑に置いてある。

 ひとり用の冷蔵庫は、冷蔵、冷凍スペースに分かれていて、冷蔵スペースには納豆、豆腐、ジャコ天、キムチが常備されている。
 冷凍スペースのドアポケットにはコーラのペットボトルが入っている。
 凍るギリギリの温度を保っている。

 ドアを開けワンルームのリビングに入る。
 右側に備えつけのクローゼット。

 その側面には自作の小さな二枚の油絵がかかっている。
 一枚はバーのカウンターに座る三人の男たち。
 もう一枚は落ち葉の並木道に止まる青いミニ・クーパー。

 左の壁際には可動式の低いフロアラックがある。
 本棚代わりで、雑誌や文庫本、写真や雑多な書類が入っている。

 ラックの横には二台のギターケースが寝かせてある。
 その横には小さなギターアンプが鎮座している。
 その対面には久しく弾いたことがない電子ピアノがある。
 電子ピアノの前には布団が一式畳まれている。

 その横はパソコンデスクと椅子だ。
 デスクにはノートパソコンと薄型テレビ、卓上カレンダーが載っている。
 その前には煙草にライター、灰皿が置いてある。

 デスクの下には三段引き出しつきのラックがある。
 それぞれの引き出しには、生活にはあまり関係のない小物類が入っている。

 デスクの対面は姿見つきのタンスとパイプ製のハンガーラックだ。
 タンスの前には室内物干しが場所を占める。

 あと目に入るのは型遅れのエアコン、クローゼットやタンスの上に積まれたダンボール箱、ハンディ・クリーナー、木製脚立、ギターやウクレレの楽譜。

 今はそれらの記憶は鮮明だが、そのうち忘れてしまうだろうから、備忘録代わりにここに記しておくことにした。

 

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