★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

思い出の河原町

2022年10月07日 12時15分52秒 | 徒然(つれづれ)
 千年のいにしえと現代の文化や風俗が同居する、日本が世界に誇る観光都市、京都。
 九州の辺境の村で生まれ育った私は、昭和48年の大学入学から大阪に転居する昭和60年までを京都で過ごした。

 その期間に、私は大学生活を過ごし、就職して社会人となり、結婚して子供も生まれた。
 第二の故郷などと言うつもりはないが、私の多感な青春、とりわけ人格形成には少なからず影響を及ぼしている。

 まだ高校生の気分が抜けきらない18歳の時に、初めて足を踏み入れた京都は、歴史の教科書の内容とは打って変わって、ド田舎育ちの私にはカルチャーショックを受けるほどの大都会だった。

 特に河原町は京都を代表する繁華街だ。私の中では京都イコール河原町だ。
 その河原町通りの喧騒や建ち並ぶビルや店舗、観光客で賑わう新京極の熱気、高島屋や大丸、マクドナルドやケンタッキー、見るもの聞くもの感じるものすべてが新鮮で好奇心をくすぐり、それらが私の新しい門出を祝っているように思えたものだ。

 この街で大学生活のモラトリアムを謳歌できるのかと思うと、天にも昇る開放感に満たされたものだ。
 ラッキーなことに、河原町は四ノ宮の下宿から今出川の大学までの通学経路の中継点だった。

 歴史ある寺社仏閣巡りなど念頭にもなく、私は入学当初からゴールデンウイークまでの1ヵ月間、飽きもせず河原町周辺の入念な探索に明け暮れた。
 その1ヵ月間で、河原町や木屋町のどこに何があるかをほぼ完全に把握した。

 人間というのは、熱しやすく冷めやすいもので、そんな河原町も大学の前期が終わる頃には、新生活の興奮も収まり、見慣れた風景になってしまった。
 もちろん飽きたということではなく、馴染んだということで、はしゃぐ観光客を横目に、勝手知ったる地元の人間のように闊歩するようになった。

 店舗や娯楽施設の場所は把握しても、そこへ入り雰囲気を味わうことが次なるステップだ。
 ことに木屋町界隈の飲み屋は、喫茶店やレストランと違い、通ってこそ、その味わいがわかるものだ。

 それにはそれなりの月日を要する。
 行きつけの喫茶店や居酒屋、パブやスナックなどができたのは、2回生になってからだ。
 
 4回生、5回生になると、河原町に対する興味も失せ、ほとんど行かなくなり、下宿に引きこもるようになった。
 社会人になり仕事で忙しくなると尚更だ。

 それ以降、京都の街は、たまに訪れる追憶の街になってしまった。
 様変わりした街に、もはやあの当時の面影はない。
 私の遠い記憶の中にしか存在しなくなっている。


拙著1973 追憶の京都 ただいまAmazon Kindle Storeにて絶賛発売中。

 
 

ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに磨きがかかってきた。しかしそのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがある。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
 読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。

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拙著『1973 追憶の京都』

2022年10月07日 11時07分39秒 | 徒然(つれづれ)
 現在に疲れたら、たまには過去を振り返ってみるのもいいんじゃないか。  
 あなたには振り返りたくなるあの頃がありますか。  
 
 時は1973年4月、沢井俊介の京都での大学生活がスタートした。  
 加山雄三と吉田拓郎に憧れ、フォークギター片手に青春のモラトリアムを満喫すべく、クラブ活動や合コン、デートやアルバイトに精を出す俊介の大学生活を活写。

 当時の同志社大学周辺や河原町界隈の懐かしい店々、流行したヒット曲やアーチストなどを随所に散りばめながら、俊介の青春を体感できるノスタルジック・ストーリーです。  

 当時の京都を知る人も知らない人も、また知りたい人も、あんな店あった、あんな曲あった、とそれぞれに楽しめる1970年代のガイドブック的小説です。


拙著1973 追憶の京都 ただいまAmazon Kindle Storeにて絶賛発売中。


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