打倒、歯医者ビジネス

　前歯の詰め物が外れて歯医者へ行ってきた。
　前歯だけに欠けているとアホ面になるので、仕方なく行った次第。
　3分の1ほどが欠けているので、詰め物では無理で神経を抜き、次回以降の被せの治療に備えた。

　患部はそこだけだったが、その横の虫歯や脱着入れ歯の支点の差し歯なども治療を勧められる。
　歯医者もビジネスなので、不安を促すような勧め方だ。

　それにも負けず、とりあえずは患部だけの治療を要望。
　歯医者には、歯が抜けたり詰め物が外れて、どうしようもなくなった時に行くことにしている。

　事前の治療など、明日をも知れぬこの歳になると無意味だ。
　いずれにしても３、4回の通院治療で、2万円ほどかかりそうで、家内の機嫌はすこぶる悪い。
　

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わかっちゃいるけど

　同世代の著名人や知り合いの訃報を聞くにつけ、健康のありがたさや大切さを知るものだ。
　しかし、健康を維持するために、何かやっているかといえば、そんなことはない。

　理学療法に基づいたトレーニングや定期的な人間ドックなど、有益な健康管理をやっているのはほんの少数だろう。
　私にしてもやっているといえば、毎朝のウォーキングくらいだ。

　人間、誰しも病を得て初めて、当たり前だと思っていた健康の大切さを痛感するものだ。
　私は一応、ほぼ健康体だと自認しているが、それも単なる過信かもしれない。

　大病に繋がる生活習慣病などは、今までの小さな不摂生の積み重ねだ。
　花粉症のように、その積み重ねがある日突然、今まで免疫で抑えていた症状が、表面張力が破れたように顕在化するのだ。

　そんなことは誰しも、頭の片隅ではわかっているはずだが、それを事前に対処しようとは思わないものだ。
　自分は健康だという妄信に近い、根拠のない過信ゆえだろう。

　もちろんそれも十分わかっている。
　分かっていても、酒もたばこもやめる気はないし、塩分や糖分の過剰摂取も大して気にしていないのが現状だ。
　植木等じゃないが、わかっちゃいるけどやめられないのが人間だ。
　
　

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