心の変化のままに

　女心と秋の空、というくらいだから、男より女の心のほうが変わりやすいのだろうか。
　いずれにしても、人の心、というと大げさだが、気は変わりやすいものだ。

　偉いさんが気が変われば、朝令暮改といわれ、普通の人間なら優柔不断といわれる。
　恋人だったら、冷酷非道の浮気者だ。

　要は、気が変わること、イコール悪というか、負のイメージがある一方、我々は変わらなくてはいけない、という世界的に大きなテーマもある。
　しかし考えてみると、気が変わる、あるいは考えが変わるのは日常茶飯事だ。
　自我が確立してから今日まで、その生き方や考え方のポリシーを、頑として守り続けた人間がどれほどいるだろう。

　人間は進化する動物だ。
　進化とは変化、そう、気持ちや考え方の変化だ。
　昨日の敵は今日の友ではないが、以前は嫌っていたことが、今は好き、あるいは逆もありだ。

　考え方や行動を固定化する必要はない。
　一貫性など不要だ。
　ブレにブレたらいいのだ。
　思考を固める必要などない。

　過去の考え方や行動に左右されることなく、心の赴くままに考え、行動したらいいのだ。
　もちろん、他人に迷惑がかからない、常識の範囲でね。
　それでも鬱憤が溜まるなら、自虐ネタとしてSNSで披露したらいいのだ。

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