虹色仮面 通信

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東京がなぜオリンピック誘致にこだわるのか?

2009-06-06 01:51:36 | スポーツ
現在、東京都には1200万人以上の人が暮らし、経済活動も他の道府県から見れば恵まれているといえます。
我が国のあらゆる部分において、中心に位置するのだから当たり前ですが、地方から見れば、羨ましいほど経済的にも潤い、充分に活気もあるように思えます。

ただそんな東京都にも問題はあるのです。
特に10年後の人口構成=高齢者数の増大は著しく、現在人口の約2割(約250万人)の高齢者(=65歳以上)が、10年後には約120万人増えます。
亡くなる人もいるので、その自然減を勘案すると、今より約100万人高齢者増となることがほぼ間違いないと、各種人口動態や人口予測などからも明らかになっています。

にもかかわらず、東京の都市設計は1960年代(1964年東京オリンピック頃)に行われたものを、時代の変化に伴ってリニューアルして現在に至っています。
その頃は、子ども(15歳未満)は25%、高齢者(65歳以上)は10%を想定して、都市計画がされています。
それが今では、子どもが13%で高齢者が20%。10年後には、子どもが10%で高齢者が30%のいびつな社会になるのです。
すでに、1960年代につくられた社会制度や都市計画は、現実とかけ離れてきているのです。

そこに登場するのは「オリンピック」です。
「オリンピック」とは人類の祭典であり、多額なカネが動く世界最大級のイベントです。
それゆえに政治的な色彩も濃くなり、近代のオリンピックでは何かと政治色が漂うイベントになってしまっている現実があります。

そこで東京都は、2016年の誘致に成功すれば、オリンピックというビッグイベントの成功のために、国家に多くの予算を捻出してもらいます。加えて多くの寄付や基金も募ります。
その資金を運用し、一部を都市再生に活用することで、21世紀型(高齢者対応型)大都市にモデルチェンジをしたいんだと睨んでいます。これは決して悪いことではなく、政治的な判断としては極めて真っ当なものだと思います。
オリンピック以外にこれだけの多額の費用を捻出できる国家プロジェクトはありませんし、多くの日本人は、世界でも屈指のオリンピック信仰者だという事実があります。
「オリンピック」を旗印にすれば、対外的にも問題にはならないのです。

続きは明日。