木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

拭き漆仕上げと蜜蝋ワックス仕上げ

2008-07-05 21:48:25 | 木工
木工品の場合、そのままでは汚れや、水分によるシミができたりしますので塗装をします。
木工品の塗装というと般的には「ニスやウレタン塗料」を塗るのが一般的ですが、いずれも合成樹脂なので、家具には特別の場合以外は私は使っていません。
丈夫さ、安全性、美しさ等から一番良いと思っているのは拭き漆です。
漆と言うと漆塗りを連想すると思いますが、拭き漆は「加飾のための塗り物」というより、漆による木肌の保護(塗装)という意味合いが強いと思います。
いわゆる「漆塗り」では木の地肌はほとんど見えなくなり漆の艶や色が表に出ますが、拭き漆の場合は木の木目をより美しく浮き上がらせます。
拭き漆の難点は、漆の価格も高いのと、それ以上に仕上げにとても手間がかかること。

拭き漆以外には、オイルや蜜蝋ワックス使って仕上げています。

ホワイトアッシュで作ったいすで、拭き漆仕上げと蜜蝋ワックスで仕上げたものの違いをご覧ください。



こちらが蜜蝋ワックスで仕上げたものです。

以前は、白木で仕上げる場合は「オイルフィニッシュ」を使っていましたが、においがきついので最近は蜜蝋ワックスを使っています。
いずれも材にしみ込ませて固まらせるものです。ニスと違って塗膜ができませんし、天然素材ですので安心して使っていただけます。
ホワイトアッシュという白い材なのでこんな感じですが、タモなどのもう少し色の濃い材を使うと、もう少し落ち着いた感じになります。

そして



こちらは前にも載せた、拭き漆を施した椅子です。

同じ材で作ったものでも雰囲気がまったく違ってきますね。
コメント (2)
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