昨年の暮れに切ったクヌギです。一年たってこれくらい成長しました。高さは2mを越えています。切り株からたくさん芽が出てたくさんの木になっています。しかし、大きくなるのはこのうちのどれか一本か二本です。これから兄弟同士で激しい生き残りの競争をするわけです。中には虫に入り込まれて折れ、枯れてしまうものもあります。
こういう幼樹は、葉が落ちずにいつまでもついているのが特徴です。若い木ほど葉が落ちにくいもので、春になって次の葉が出るときに全部落ちます。もっと年を取ってくると、それよりは早く落ちますが、それでも長く木についたままでいます。本当に育ってしまうと、11月中に落ちてしまうか、12月はじめの頃に全部葉を落としてしまいます。
ハラハラと落ちてくる様子は、寂しさを感じさせます。笹の葉ではありませんが、「わがやどは いささむらたけ ふくかぜの おともかそけき このゆうべかも」といううたを思い出してしまいます。
子供の頃は、この茶色の葉が全くきれいに見えず、田舎のいやな場面だなと思っていました。今は、そういう目では見ないで、それが自然なのだという気持ちでみていますので、美しいとまでは思わないまでも、いやな光景とは思わなくなりました。それだけ成長したのか、あるいは自分が枯れてきたのか、感じなくなってきたのか、、、。