かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

世界初の核実験施設が今は観光地に?

2015-04-05 20:40:03 | Weblog
 今日は一日天候不順の日曜日で、結局外に出ること無く自室にこもりきりでした。座ったままの生活だと腰が痛くなってきますし、一時間位は外に出て散歩の一つもやっておきたかったですがそれも叶わず、意識としては何にもしないままに時間がただ過ぎていくばかりという、もったいない過ごし方になったのが、なんとも心苦しいばかりです。風邪も結局本当に少しずつしか良くならないみたいで、まだ少し、喉のいがらっぽさとそれに刺激されての咳が残っています。完全に症状が消えてなくなるまで、まだ1週間位かかるんじゃないでしょうか? 

 さて、アメリカ・ニューメキシコ州の、世界最初の核実験場「トリニティ・サイト」というところがこのたび一般公開され、観光客で賑わったそうです。そこには、長崎に投下された原爆「ファットマン」の模型も展示されていたそうで、それらの記念物の前で嬉々として記念写真を撮影する十数人の観光客の姿が撮影された写真が公開されていました。
 原子爆弾で攻撃された唯一の国、日本の国民としては、その忌まわしき発祥の地で、笑顔で写真に収まる人々の気持ちは理解し難い、と思いたいところなのですが、正直な所、自分もひょっとしたらその場所に立つと同じように写真を撮りまくっているかもしれないな、と思い、少なくともその観光客らを非難する気にはなれませんでした。結局な所、私は戦争を知らない戦後生まれの人間であって、広島も長崎も学生の時の修学旅行で行きはしましたが、そこで観たのは、ほんの僅かな原爆の痕跡の他は、復興・繁栄する観光地の姿でしかありませんでした。むしろ、長じてから行った靖国神社の遊就館での展示物の数々や、靖国神社でのお参り、あるいは横須賀の戦艦三笠のほうが、よほど厳粛で真剣な空気に包まれ、戦争という狂気を身近に感じさせるものであったように思えます。言い方を変えれば、原子爆弾という、何万人も一瞬で殺戮し、都市一つを文字通り破壊する兵器なんてものは、あまりに漫画チックで非現実的で、ヒトの想像を絶するという事なのかもしれません。まあ私の想像力が乏しいだけなのかもしれませんが、自分自身が経験していない事をリアルに思い浮かべようというのは難しいのでしょう。
 ただ、感情の面では感性の鈍さであまり共感できなくても、理性の面では、核兵器の脅威を理解することはできようかと思います。その上でそれとどう付き合っていくべきなのかを、考えるべきであろうと思うわけです。あまりに大量に存在してそう簡単に無くすわけにも行きませんし、兵器として無力化できたとしても、弾頭に仕込まれたプルトニウムなど半減期が万年単位で長い放射性物質を即座に無力化・無毒化する方法もありません。そのうち、放射性物質を無毒化する画期的な手法ができるんじゃないか、と個人的には無邪気に思っていたりもするのですが、そんなお伽話が実現するまでは、結局つきあいかたを考えるよりしかたがありません。嬉々として記念撮影するという行為はともかくとして、そういう歴史が確かに存在した事を示す人類の記念碑として、この核実験場は末永く維持管理されて欲しいとは思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする