今朝の奈良市の最低気温は0.5℃、最高気温は6.4℃、五條市の最低気温は−1.5℃、最高気温は5.6℃でした。1日曇りがちだった昨日と違い、どちらかと言うと晴れのほうが多く、時々分厚い雲が流れてきて日差しを遮るという感じの日中でしたが、気温は昨日とほとんど変わりませんでした。日が出ている時の日向はそれなりに暖かだったのですが、冷たい北風が吹き続け、日が陰ると即座に体が冷えてくるという寒さです。明日の建国記念日は昼間に雪か雨が降るというあいにくの天気。2月の三連休は残念ながら天気に恵まれること無く終わりそうです。
さて、そんな冬のさなか、堺屋太一氏が亡くなったとのことです。死因は多臓器不全、享年83歳とのことで、まず大往生というところだったのでしょう。ご冥福をお祈りしたいと思います。
官僚時代に大阪万博と沖縄海洋博を切り盛りし、「団塊の世代」という今や誰もが知る特定年齢層の名付け親となり、経済企画庁長官にもなり、作家として、経済評論家として、様々に活躍された多才な人でした。著作を幾つか読みましたが、豊臣秀吉を支えその栄華の立役者となった弟小一郎を描く「豊臣秀長―ある補佐役の生涯」は、何度も読み返した面白い歴史小説でした。ナンバー1にならない望まないナンバー2、「軍師」でもなければ『女房」でもない、「補佐役」という日本人独特の役職には、なるほど、と納得を覚えたものです。その後銀河英雄伝説でナンバー2不要論を唱えるオーベルシュタインに、堺屋太一の本を読め、と言ってやりたくなりましたが、「豊臣秀長」より「銀河英雄伝説」の方が古いようで、堺屋太一が提唱するまでは「補佐役」という役柄は多分一般的でもなかったでしょうから、しょうがないといえばしょうがないですね。
それはさておき、秀吉死後、着々と天下人へと進む徳川家康に譲らず、関ヶ原の戦いまで持っていった石田三成を描いた「大いなる企て」も面白かったです。万博などのビッグプロジェクトになぞらえ、石田三成が成功した部分と失敗した部分を明瞭に描き出したところが、色々と考えさせられるものがありました。企画したヒトが実行する人になってはいけない、というような言葉がどこかに書いてあったと記憶していますが、「大義名分」の必要性などとともに、なるほどなあ、と納得したのを覚えています。他にこのヒトの言葉で一番印象に残っているのは、「ヒトの言っている言葉よりもやっていることを見ろ」という意味合いの言葉です。いわゆる本音と建前、というやつで、ヒトはいくら口ではなにか良い風な事を言っていても、本音は実際の行動に現れるから言葉に惑わされるな、というようなことだったと理解しています。なにげに仕事でも役に立っているので、座右の銘とまでは行きませんが日常頭の隅において心がけていたりします。
「油断!」も面白い小説でした。二本が、石油を一切輸入できなくなるとどうなるかというお話ですが、昔から農水省の唱える食料自給率に、農業を営む上で欠かせない石油を全て輸入に頼っている時点で自給率もへったくれもないだろう、と思っていた私にとって、その思いを裏付けてくれたのがこの本でした。
また万博を関西でやりますが、果たして今、堺屋太一の後継者となりうる人材は育っているんでしょうか? オリンピックのゴタゴタとか見てましたらちょっと心配になってきますが、草葉の陰から先達に笑われないような企画・運営を、今の官僚の皆さんには期待したいものです。
さて、そんな冬のさなか、堺屋太一氏が亡くなったとのことです。死因は多臓器不全、享年83歳とのことで、まず大往生というところだったのでしょう。ご冥福をお祈りしたいと思います。
官僚時代に大阪万博と沖縄海洋博を切り盛りし、「団塊の世代」という今や誰もが知る特定年齢層の名付け親となり、経済企画庁長官にもなり、作家として、経済評論家として、様々に活躍された多才な人でした。著作を幾つか読みましたが、豊臣秀吉を支えその栄華の立役者となった弟小一郎を描く「豊臣秀長―ある補佐役の生涯」は、何度も読み返した面白い歴史小説でした。ナンバー1にならない望まないナンバー2、「軍師」でもなければ『女房」でもない、「補佐役」という日本人独特の役職には、なるほど、と納得を覚えたものです。その後銀河英雄伝説でナンバー2不要論を唱えるオーベルシュタインに、堺屋太一の本を読め、と言ってやりたくなりましたが、「豊臣秀長」より「銀河英雄伝説」の方が古いようで、堺屋太一が提唱するまでは「補佐役」という役柄は多分一般的でもなかったでしょうから、しょうがないといえばしょうがないですね。
それはさておき、秀吉死後、着々と天下人へと進む徳川家康に譲らず、関ヶ原の戦いまで持っていった石田三成を描いた「大いなる企て」も面白かったです。万博などのビッグプロジェクトになぞらえ、石田三成が成功した部分と失敗した部分を明瞭に描き出したところが、色々と考えさせられるものがありました。企画したヒトが実行する人になってはいけない、というような言葉がどこかに書いてあったと記憶していますが、「大義名分」の必要性などとともに、なるほどなあ、と納得したのを覚えています。他にこのヒトの言葉で一番印象に残っているのは、「ヒトの言っている言葉よりもやっていることを見ろ」という意味合いの言葉です。いわゆる本音と建前、というやつで、ヒトはいくら口ではなにか良い風な事を言っていても、本音は実際の行動に現れるから言葉に惑わされるな、というようなことだったと理解しています。なにげに仕事でも役に立っているので、座右の銘とまでは行きませんが日常頭の隅において心がけていたりします。
「油断!」も面白い小説でした。二本が、石油を一切輸入できなくなるとどうなるかというお話ですが、昔から農水省の唱える食料自給率に、農業を営む上で欠かせない石油を全て輸入に頼っている時点で自給率もへったくれもないだろう、と思っていた私にとって、その思いを裏付けてくれたのがこの本でした。
また万博を関西でやりますが、果たして今、堺屋太一の後継者となりうる人材は育っているんでしょうか? オリンピックのゴタゴタとか見てましたらちょっと心配になってきますが、草葉の陰から先達に笑われないような企画・運営を、今の官僚の皆さんには期待したいものです。