奈良市の今朝の最低気温は5℃、昼の最高気温は12.3℃、五條市の今朝の最低気温は3.2℃、昼の最高気温は11.3℃でした。今日はおそらく明け方一雨ありましたが、日中はずっとくもり空で、稀に雨粒が1つくらい落ちてきたかも? という程度の降雨未満のものはありました。それが夜になって催してきたようで、20時現在、窓外から雨が降っている音が聞こえてきました。この雨をもたらす雲はさほど分厚くはなく、程なく雨はやむだろうと思います。明日はまた暖かな朝になりそうですが、明後日は一転冷え込みがきつい冬の1日になることでしょう。三寒四温、まだ春になるには幾つか寒い日も過ごさねばならぬようです。
さて、岡山県西部の瀬戸内海沿いの町浅口市のやや内陸にある鴨方町に、人魚のミイラを安置している寺、櫻見山 圓珠院(天台宗)があります。この人魚のミイラ、伝承では江戸時代に瀬戸内海で捕獲された人魚とされていますが、魚に猿を接いで作ったのではないか、というような話もあり、不可思議な謎の存在でした。そこで、圓珠院の協力の下、倉敷芸術科学大学健康科学科で古生物学を研究する加藤敬史教授ら研究プロジェクトチームがこの人魚のミイラを分析、その正体が明らかになったとのことです。
その正体とは、下半身は魚の胴体、上半身は猿などの動物ではなく、粘土などを用いて精巧に作られたものだったとのことでした。上半身にはフグの皮や粘土、漆喰、布などを組み合わせて下半身との継ぎ目部分がちょっと見ではわからないほどに作り込まれたものとのことで、永年の謎にようやく終止符が打たれました。人魚のミイラではなかったと判明はしましたが、圓珠院のご住職のお話によると、「『仏様が木を彫って作られたものに魂が宿っている』のと同様のことかなと思います」とのこと。なるほど、と納得のいく内容に感じました。ご住職は更に、「これからも守っていき、また信仰のひとつの対象でもありますので、保存のもと供養してあげたいと思う」とも話しておられました。江戸時代の類稀なる技術者による本物そっくりな工芸品とあれば、左甚五郎の木彫りのネズミのごとく、本当に魂が入るやもしれません。寺宝にふさわしい逸品であることは、今後とも間違い無いと思います。