日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

日本の貧困化の現状

2021-03-25 10:02:12 | 日本の貧困化
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると 1995 年から 2018 年までの 23 年間で、国民全体が収入階級の低い層に「落層化」しているとみることができる 。

増加している収入階級は、50 万円未満から 450~500 万円未満層である。逆に減少している層は 500~550 万円未満層より高い層である。割合が増加している 450~500 万円未満以下の割合を合計して比較すると、1995 年の 49.6%から 2018年には 60.8%と、11.2ポイント増加している。

雇用労働者層に限定してみると中間層は減少し低所得層・高所得層は増加するという2 極化の傾向をみることができる。

民間労働者の年間賃金の状況をみると年間賃金 200 万円以下の労働者は 1996 年の 846 万人から 2018 年には 1980 万人まで膨れ上がっている 。

この年間賃金 200 万円は、月額にして 16 万 6667 円である。これは、若年単身世帯の「生活保護水準」である月額約 17 万 2 千円、年額 206 万円を下回っている。

2018 年の時点で、労働人口の実に 38.3%を非正規労働者が占めており正規労働者との賃金格差から貧困に陥りやすく、さらには貧困を救うセーフティネットも利用しにくい状況にある。

非正規労働者は正規労働者に比べて賃金や労働時間が少ない上に、雇用期間の終了とともに直ちに失業者となる可能性がある。非正規雇用は景気の変動に雇用が左右されやすい非常に不安定な就業形態である。この正規労働者と非正規労働者との二極化が、所得分配の不平等化・貧困層の拡大を引き起こしたといえる。そして、貧困に陥った人々を救済するべきセーフティネットは非正規労働者に充分に対応することができていない。
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女性の貧困率を下げるには正社員の働き方の多様化が必要

2021-03-11 09:58:44 | 日本の貧困化
日本では女性の貧困化が進んでいる。これには離婚の増加による単身世帯や一人親世帯の増加が関係している。

また、女性の非正規率が高いことも影響している。平成29年における非正規雇用労働者の割合を見ると,女性は55.5%,男性は21.9%であり圧倒的に女性の非正規率は高い。

非正規雇用は元々働き方の多様化実現することで、月から金や9時から5時というような時間に縛られることなく、女性を含め多くの働きたい者が働きやすくなることが目的であった。

しかし、実態は低賃金や解雇のしやすさを目的として企業の間で非正規労働者が急増する結果を招いた。その犠牲になっているのが女性である。本来正社員として雇用すべき仕事についても低賃金で調整弁として使いやすい非正規労働者として雇用することが増加し、女性の多くが正社員の道を断たれる結果になった。

安倍政権の唱えた女性活躍は掛け声だけであり、実際のところは女性を低賃金で調整弁として使いやすい非正規労働者とし、不振にあえぐ中小企業の賃金コスト低下を図るものであった。

女性が貧困から脱出する為には非正規社員制度を廃止し、原則として雇用は正社員としての雇用でなければならないように改正する必要がある。

それに耐えられない企業は倒産してもかまわない。生産性の低い企業が淘汰されることで、新しい生産性の高い企業がうまれる余地ができる。

一日数時間の労働であっても週一日だけの労働しかできなくても正社員とすべきである。正社員の労働条件を多様化することで、子育て中の主婦であっても正社員として働ける環境を整備し雇用を安定させることで貧困から脱出しやすくなる。

日本の政策の方向性も従来の企業支援から国民の生活支援に舵をきるべき時期にきている。
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日本の貧困の現状

2021-02-26 10:16:25 | 日本の貧困化
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があり、日本で言う貧困は相対的貧困に当た.る。絶対的貧困は生活を維持していくことが難しい状態であるのに対し、相対的貧困はその国の生活水準や文化水準を下回る状態に陥っていることを指す。

相対的貧困者とは、社会保障費などを引いた「等価可処分所得の中央値の半分未満しかない人の割合のこと。等価可処分所得の中央値は、年間245万円(2015年)。つまり年間122万円未満の可処分所得しかない世帯を相対的貧困層という。

しかし、相対的貧困とはいうが、日本で月10万円で生活するのはかなり大変であり、何か災害に巻き込まれればホームレスに一直線である。

ちなみに、貧困率を決める可処分所得の中央値は、ここ数年245万円程度で推移しているが、20年前の1997年には297万円だった。つまりこの20年の間に 可処分所得の中央値が52万円も下がっているということになる。中央値の所得245万円でも月額20万円程度にすぎず、この所得で家賃や住宅ローンの返済に5万円程度を支払うとすればかなり生活は苦しいと言える。

また、高齢者の貧困も深刻である。65歳以上の高齢者のいる世帯の貧困率は27.0%。つまり高齢者世帯の4世帯に1世帯以上が貧困世帯となっている。さらに65歳以上のひとり暮らし(単身世帯)の貧困率を見るとさらに深刻さは増す。男性単身世帯の36.4%、女性単身世帯の56.2%が貧困である。

また、それ以外の世代にも貧困化は及びつつある。たとえば、現在40代の可処分所得は60代のそれと同水準になりつつあると言われている。非正規雇用者の増加で40代の平均所得はここ20年で1割減少している。

今後日本はあらゆる世代の年齢層が貧困にあえぐ時代が来る、と言っても過言ではないのかもしれない。

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現在の日本の衰退は国民の可処分所得を減らしたことで生じた。

2021-02-22 09:33:15 | 日本の貧困化
日本は衰退を続けている。この事実に今では多くの国民が実感している。gdpこそ今でも世界3位の地位を維持しているが、一時期世界一だった一人あたりgdpは既に26位まで転落し近いうちに韓国に抜かれるだろう。

この日本の衰退は外交面でも大きな悪影響を与えている。韓国が日本を軽視し傍若無人な態度をとるのもその結果であり、中国が日本の領海を脅かすのも日本の衰退の結果である。

この結果をもたらした大きな原因は増税や社会保障の改悪で国民の可処分所得を減らしたことにある。日本経済の最大構成要素は個人消費であるにもかかわらず、バブル崩壊後政府は個人から収奪しそれを企業にむける政策をとりつづけて来た。

企業に対するさ様々な減税や経済対策をする一方で、個人からは消費税を増税したり、社会保障を改悪したり、社会保障費の増額等を実施してきた。

結果どうなったかというと、企業は政府の支援により生産性を向上させないまま危機を脱出した結果、改革を怠り韓国や中国企業の後塵を拝することになった。

一方、gdpの最大構成要素である個人消費が縮小した結果。日本市場は魅力を失い企業の設備投資は海外に集中し日本国内の設備投資が減少し、需要と設備投資の減少があいまって日本経済を縮小させた。

この傾向は正社員から非正規社員への移行によりさらに増幅された。非正規化により賃金コストが減少し、賃金負担を変動費化することに成功した企業は低生産性ののままでも存続することが容易となり、生産性の向上を実現することなく、古い体質のまま存続することになった。

海外企業と比較し低い生産性の企業と、可処分所得が減少し購買余裕の無い国民が日本経済を停滞させ、世界に大きく後れをとることになった。

企業を甘やかす安易な企業優遇策を止め、国民の可処分所得を増やすことなしには日本経済は今後も衰退するばかりである。
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国民の断絶を解消しないと、日本社会は現在の姿を維持できない。

2021-02-19 09:39:43 | 日本の貧困化
日本社会にはここ10年で大きな断層が発生し、国民は断絶されておりこのまま断絶が拡大再生産し続ければ日本社会は現在の姿を維持できなくなる。

東北大震災の直接の被害者とそうでない者との間の断絶、同じ地震を経験しても家族を失い財産や職場を失った者と大きな被害を受けなかった者とでは、その後の生活が全く異なる。大きな被害を受け財産と職場を失った者は10年たってもかっての生活を取り戻せていない。

これは東北大震災だけでなく、それ以外の地震や大雨等の災害にあった者も同様である。今の日本の災害被害者対策は最低限の生活を維持できる政策に限定されており、災害被害者が災害前の状態に戻れるような内容ではない。これでは災害が発生するたびに落ちこぼれる国民が増加する。

コロナ禍においても同様である。共にコロナという脅威に直面しながらも、正社員として職を維持できる者と倒産や解雇で職を失う者との間に大きな断層が発生している。

職を維持できた者は多少不便があっても以前と同様の生活水準を維持できるが、倒産や解雇で収入を失った者は住家を失い明日の食費にも困ることになりかねない。

災害対策を単に生かすことだけに限定するのではなく、元の生活に戻れるように変えない限り、日本では断層が広がりつづけ国民は分断され、現在の秩序を維持できなくなるだろう。
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