日本企業は「見る目」がない――。2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞する京都大学の本庶佑特別教授はこう不満を口にした。日本の大学などの研究論文がどこでビジネスの種である特許に結びついているかを調べると、米国の比率が4割を超す。
一方、日本の企業などが特許出願で最も引用したのは米国の論文で44.1%。日本は27.3%だった。米国の研究開発力は世界トップだが、海外に目を向けている間に、国内のシーズを見落としていた可能性はある。
(日経オンライン記事から抜粋)
この事実を見て本庶教授は日本企業には見る目がないと断じたのだが、これは少し事実と異なる。見る目がないからではなく大勢に追随するというのが日本企業に染み付いた体質だからである。
日本でサラリーマンが社長の地位を射止めるのに最も必要なことは失敗しないことである。日本企業の中には向こう傷は問わない、などという企業もあるが、これは嘘である。
大部分の企業では大きな失敗は致命的であり、今後のサラリーマン人生の汚点として付きまとい二度と日の当たるコースにでることはない。
また、敵を作りやすいスタンドプレーもタブーである。結果的に経営者まで上り詰めることができた者の多くは、誰からも批判されにくい選択を好む。日本の海のものとも山のものともわからない研究に金をつぎ込むよりは、誰もが認めるアメリカの研究に金をつぎ込むのは批判回避の観点からは当然の選択である。
日本企業は経営者選抜の仕組みを変えない限り、今後も二番煎じの選択をし続ける。
研究者も日本企業には期待せず、最初から海外企業への売り込みを進めるべきである。
一方、日本の企業などが特許出願で最も引用したのは米国の論文で44.1%。日本は27.3%だった。米国の研究開発力は世界トップだが、海外に目を向けている間に、国内のシーズを見落としていた可能性はある。
(日経オンライン記事から抜粋)
この事実を見て本庶教授は日本企業には見る目がないと断じたのだが、これは少し事実と異なる。見る目がないからではなく大勢に追随するというのが日本企業に染み付いた体質だからである。
日本でサラリーマンが社長の地位を射止めるのに最も必要なことは失敗しないことである。日本企業の中には向こう傷は問わない、などという企業もあるが、これは嘘である。
大部分の企業では大きな失敗は致命的であり、今後のサラリーマン人生の汚点として付きまとい二度と日の当たるコースにでることはない。
また、敵を作りやすいスタンドプレーもタブーである。結果的に経営者まで上り詰めることができた者の多くは、誰からも批判されにくい選択を好む。日本の海のものとも山のものともわからない研究に金をつぎ込むよりは、誰もが認めるアメリカの研究に金をつぎ込むのは批判回避の観点からは当然の選択である。
日本企業は経営者選抜の仕組みを変えない限り、今後も二番煎じの選択をし続ける。
研究者も日本企業には期待せず、最初から海外企業への売り込みを進めるべきである。