ロシアによるウクライナ侵攻後、原油価格が史上最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年末と比べれば、原油は70%以上値上がりし、小麦は約2倍になった。小麦以外でもトウモロコシや大豆も2年前に比べて2倍弱の価格になっている。これらは当然、日本の「貿易収支」を悪化させる。財務省の貿易統計速報によると、2月の貿易収支は原油や液化天然ガス(LNG)の輸入が増えたことで6682億円の赤字となり、7カ月連続の貿易赤字となった。
従来は貿易赤字であっても対外資産からの資本収支が黒字の為、経常収支は赤字にならなかった。ところが、この経常収支の黒字も危うくなってきた。財務省の国際収支統計速報によると、1月に日本は大幅な経常赤字に陥った。赤字額は1兆1887億円で、月次としては14年1月の1兆4561億円に次ぐ過去2番目に大きな額になった。経常赤字は2カ月連続だ。
主因は原油、石炭、液化天然ガスの輸入額が大幅に増えたことによる貿易赤字の拡大である。このような中で急速に円安が進んでいる。原油や食糧価格が上がっているのに円安になれば、ますます貿易赤字が膨らむ。円安とインフレ、更なる貧困化という負のスパイラルに巻き込まれてしまう。
円安ならば、輸出を伸ばして貿易赤字を改善できるはずだが、今の日本にはその力はない。過去の円高で付加価値の低い製造業の生産拠点の多くが海外に移った、自動車や半導体製造装置など輸出競争力を持つ産業が少なくなった、新たな稼ぎ手として浮上する産業が少ない。
これでは経常赤字が定着しかねない。これを何とかするには海外に流出した日本企業の工場を国内に引き戻すしかない。
これができないと、円安が大幅に進行し日本の貧困化は加速度的にすすむことになる。
従来は貿易赤字であっても対外資産からの資本収支が黒字の為、経常収支は赤字にならなかった。ところが、この経常収支の黒字も危うくなってきた。財務省の国際収支統計速報によると、1月に日本は大幅な経常赤字に陥った。赤字額は1兆1887億円で、月次としては14年1月の1兆4561億円に次ぐ過去2番目に大きな額になった。経常赤字は2カ月連続だ。
主因は原油、石炭、液化天然ガスの輸入額が大幅に増えたことによる貿易赤字の拡大である。このような中で急速に円安が進んでいる。原油や食糧価格が上がっているのに円安になれば、ますます貿易赤字が膨らむ。円安とインフレ、更なる貧困化という負のスパイラルに巻き込まれてしまう。
円安ならば、輸出を伸ばして貿易赤字を改善できるはずだが、今の日本にはその力はない。過去の円高で付加価値の低い製造業の生産拠点の多くが海外に移った、自動車や半導体製造装置など輸出競争力を持つ産業が少なくなった、新たな稼ぎ手として浮上する産業が少ない。
これでは経常赤字が定着しかねない。これを何とかするには海外に流出した日本企業の工場を国内に引き戻すしかない。
これができないと、円安が大幅に進行し日本の貧困化は加速度的にすすむことになる。