土花吉&与太吉

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蘭麝酒の実は

2023-10-25 | 【昭和】

片方が不祥事で見なくなったら、今まであまり目立たなかった方が売れ出したり。

そんな「アンジャッシュ」ではなく、「ランジャシュ(蘭麝酒)」のお話。

「蘭麝酒」というとご存じの方も少ないかと思いますが、戦国時代の地元福井県は一乗谷の朝倉氏が造ったとされ

その名は、例の「蘭奢待」から来ているとされる。朝倉氏滅亡の後は一乗谷があった東郷地区で「青木蘭麝堂」が

400年以上も「健康酒」として一子相伝、門外不出で「蘭麝酒」の製造販売を続けている。

とは、表向き?そう言われてはいるのですが・・・実は。

地元TRG市の老舗薬局の「山本道庵」でその昔、販売されていたことはあまり知られていない。

私が知ったのも実は数年前、とある地元の古い家から出て来た下のガラス瓶を入手した時。

当時、無傷の状態で空瓶が二つ出て、その内の一つを当方が保管し、もう一つは「山本道庵」さんに贈呈。

現在の店主さんもあまり知ってはなくて、ビックリされていたのを思い出す。

因みに、この「蘭麝酒」のガラス瓶は地名表記や価格、電話番号から昭和初期のモノと判断されるのですが、最近

入手した陶器製の空瓶徳利について。

こちらは多分、明治から大正期の焼き物で表には同じく「蘭麝酒」の文字と、裏側には「越前敦賀」の表記と

その横には「山本鞭車斎製」の文字。

元々、「道庵」は屋号の為その時代の山本の名が出て来るわけで、ガラス瓶の方の時代は「山本進」で陶器製の方は

「山本鞭車斎」で納得。問題はガラス瓶には「本舗」の文字があり、陶器製の方は「製」の文字。

ってことは造っていたことになり、「青木蘭麝堂」がいう、一乗谷からは一歩たりとも外に出たことが無い

「一子相伝」「門外不出」の「蘭麝酒」ではなかったということになる。

この何とも言えない香りを意味する「蘭麝」というのは「蘭奢待」にしても、何かと謎が多い・・・。

 

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