小林研一郎さん(以下、コバケンさん)と日本フィルのハンガリー・プロ。盛り沢山の曲目なので、これは長くなるなと思ったら、案の定、長くなった。おまけに各首席奏者、各パートを、曲の終わるごとに立たせるから、なおさら長くなる。
1曲目はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。コバケンさんのこの曲の演奏は、あまりいじり回さず、ストレートな表現になる。もっとも、昔はもう少しニュアンス豊かだった気がするが、今回は単調だった。オーケストラの反応も今一つだ。全5楽章をアタッカで続けていた。昔もそうだったろうか。
休憩後、客席に報道陣が入って、カメラを回し始めた。どなたがみえるのかと思ったら、皇后陛下だった。自然とわき起こる拍手。皇后陛下も会場に軽く会釈をされた。会場は温かい空気につつまれた。
休憩後の1曲目はリストのピアノ協奏曲第1番。ピアニストは小山実稚恵さん。皇后陛下ご臨席だけあって、目のさめるような華麗な演奏だった。長年このピアニストを聴いてきたが、これほど気合が入って、パワフルで、音色の鮮やかな演奏は初めてだ。
次はコダーイの「ガランタ舞曲」。オーケストラは見違えるようにシャープになった。東欧のロマ(ジプシー)の音楽が情感豊かに、それでいて必要以上に粘らずに演奏された。またテンポを追いあげる部分はスリリングに、しかも破綻なく演奏された。この演奏はこの夜の白眉だった。
最後はリストの交響詩「レ・プレリュード」。どういうわけか「ガランタ舞曲」に比べるとオーケストラの反応が鈍り、シャープさが失われた。大きく構えた演奏だが、外側からアプローチしている感じがした。
演奏会終了後は、コバケンさんのスピーチ。スピーチは恒例だが、今回は皇后陛下がご臨席なので、いつもとは意味合いが異なる。被災地への慰問にたいする感謝をこめたその言葉に、(申し訳ないが、アドリブであるので)少しハラハラしてしまった。皇后陛下は、ご自分にむけられた言葉なので、途中から立ち上がって耳を傾けられた。
コバケンさんによると、事前の打ち合わせでは、オーケストラが去ってから、退席される予定になっていたそうだが、「それでは申し訳ない」ので、オーケストラがお見送りするかたちになった。皇后陛下は、少し戸惑われたようだが、コバケンさんの申し出にしたがって、退席された。会場からは拍手が起こり、皇后陛下は手を振られた。
(2011.5.20.サントリーホール)
1曲目はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。コバケンさんのこの曲の演奏は、あまりいじり回さず、ストレートな表現になる。もっとも、昔はもう少しニュアンス豊かだった気がするが、今回は単調だった。オーケストラの反応も今一つだ。全5楽章をアタッカで続けていた。昔もそうだったろうか。
休憩後、客席に報道陣が入って、カメラを回し始めた。どなたがみえるのかと思ったら、皇后陛下だった。自然とわき起こる拍手。皇后陛下も会場に軽く会釈をされた。会場は温かい空気につつまれた。
休憩後の1曲目はリストのピアノ協奏曲第1番。ピアニストは小山実稚恵さん。皇后陛下ご臨席だけあって、目のさめるような華麗な演奏だった。長年このピアニストを聴いてきたが、これほど気合が入って、パワフルで、音色の鮮やかな演奏は初めてだ。
次はコダーイの「ガランタ舞曲」。オーケストラは見違えるようにシャープになった。東欧のロマ(ジプシー)の音楽が情感豊かに、それでいて必要以上に粘らずに演奏された。またテンポを追いあげる部分はスリリングに、しかも破綻なく演奏された。この演奏はこの夜の白眉だった。
最後はリストの交響詩「レ・プレリュード」。どういうわけか「ガランタ舞曲」に比べるとオーケストラの反応が鈍り、シャープさが失われた。大きく構えた演奏だが、外側からアプローチしている感じがした。
演奏会終了後は、コバケンさんのスピーチ。スピーチは恒例だが、今回は皇后陛下がご臨席なので、いつもとは意味合いが異なる。被災地への慰問にたいする感謝をこめたその言葉に、(申し訳ないが、アドリブであるので)少しハラハラしてしまった。皇后陛下は、ご自分にむけられた言葉なので、途中から立ち上がって耳を傾けられた。
コバケンさんによると、事前の打ち合わせでは、オーケストラが去ってから、退席される予定になっていたそうだが、「それでは申し訳ない」ので、オーケストラがお見送りするかたちになった。皇后陛下は、少し戸惑われたようだが、コバケンさんの申し出にしたがって、退席された。会場からは拍手が起こり、皇后陛下は手を振られた。
(2011.5.20.サントリーホール)