Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

人生のささやかな節目

2011年11月04日 | 身辺雑記
 上高地から歩いて1時間ほどのところに明神という場所があります。観光客もここまではよく来ます。皆さんはそこから上高地に戻るわけですが、横にそれて2時間ほど山道を登ると、徳本峠(とくごうとうげ)という峠にでます。この峠が好きで、毎年登っています。今年はすでに6月と10月に登りました。そして昨日、もう1回登ってきました。

 11月2日。秋も深まったこの時期に上高地に行く人は少ないだろうと思ったら、松本から乗ったバスは、新島々で満席になりました。上高地に向かって高度を上げていくバスの車窓は、見事な紅葉の連続です。皆さん、この紅葉をよく知っているので、上高地を目指すのでしょう。

 もっとも、上高地そのものは、紅葉が終わっていました。10月に来たときにはまだ青々としていたカラマツですが、今はもう落葉していました。梓川の向こうに聳える穂高連峰は白く冠雪していました。幸いその日はそれほど寒くはなかったので、皆さん元気に散策していました。

 わたしは徳沢を目指して歩き始めました。徳沢は明神からさらに1時間ほど歩いた場所です。昔は牧場があったというその場所は、ハルニレの巨木が点在し、ニリンソウが群生する静かな場所です。昔からここが好きで、徳本峠に登るときも、穂高連峰に登るときも、できるだけ泊まるようにしています。

 徳沢には2軒の宿があります。それぞれにファンがいるのでしょう。わたしはいつも村営ロッジです。今回もそこに泊まりました。宿泊客は8名。夕食が終わったころに、ケーキが出ました。Happy Birthdayと書かれています。そうです、この日はわたしの人生の節目の誕生日でした。皆さんでいただこうとしたら、ハッピーバースデイ・トゥーユーを歌ってくれました。若い職員のかたにお礼をいうと、「皆さんからハッピーバースデイが出てきたので感激しました」といってくれました。

 人生のささやかな節目の日、お陰でよい想い出ができました。

 翌日は明神まで戻って徳本峠に登り、島々谷に下りました。10月のときには鬱蒼としていた樹林が、今はもうすっかり葉を落としていました。わずか1か月のあいだに様変わりです。あの無数の葉が一斉に散るときの様子はどんなものでしょう。想像するだけでも自然の迫力に圧倒される気がしました。

 二股に出て、島々までの林道歩きになると、バスの車窓から見た紅葉の再現となり、見事な紅葉に埋まるようでした。
コメント (2)
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