Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

北八ヶ岳

2013年09月25日 | 身辺雑記
 北八ヶ岳に行ってきました。同行者2名。そのうちの一人の都合で23日出発、24日帰京の日程になりました。三連休の最終日に入山するという、贅沢な日程です。

 JR中央線の茅野駅からバスに乗って渋の湯へ。山奥の秘湯です。以前は旅館が2軒ありましたが、一昨年だったか、1軒は廃業しました。不思議なことに泉質がちがい、わたしは廃業したほうの泉質が好きでした。まあ、仕方がありません。

 渋の湯から歩き出して、賽の河原を登って高見石へ。高見石はゴロゴロした巨岩が積み重なったところです。そこからは北八ヶ岳が一望できます。好きな場所なので、何度も来ています。もっともこの日はガス(雲)が流れていて、なにも見えませんでした。

 でも、じっとそこにいると、ガスが途切れて、眼下に原生林が見えてきました。やがて白駒池が見え始めました。原生林のなかの眼――青い大きな瞳――のようです(上の写真↑はそのとき携帯で撮ったものです。)。同行者2人は大喜び。その後もガスが出て隠れたり、また現れたりの繰り返しで、飽きませんでした。気が付くと、約1時間もそこにいました。なにもせずに、自然のなかでじっと過ごす1時間。至福の時でした。

 山小屋――高見石小屋といいます――で一泊しました。同宿者が3名いて合計6名。一つのテーブルで夕食をとりました。こんなときなにかの話題で盛り上がることもありますが、この日はひっそりしていました。こういうのも好きです。みんな自分のペースで食事をしたり、ビールを飲んだり、別に気まずい思いをするわけではなく、自分に浸る自由がある、といったらいいか――。

 夕食後、外に出たら、雲が切れて、満天の星でした。帯状のものは雲かと思ったら、天の川でした。月はまだ出ていないので、星がよく見えるのだそうです。連れの一人が歯を磨こうとしたら、だれかが手元をライトで照らしてくれました。みなさん親切です。

 翌朝は丸山を経由して麦草峠にむかいました。一面の苔。無数の倒木が横たわり、そこに深々と苔がついています。京都に苔寺がありますが、それが山全体のスケールで展開されているような風景です。倒木の上には若芽が出て、生命の営みが感じられます。

 麦草峠に着いたころには、青空が広がっていました。五辻を通って北八ヶ岳ロープウェイにむかいました。ナナカマドの実が赤くなっています。紅葉はもうすぐ。苔についた露がクリスタルガラスのように輝いていました。
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