「メッセージ・イン・ア・ボトル」物語はこう。
「シカゴの新聞社で調査員として働くテリーサ(ロビン・ライト・ペン)は、休暇中の海岸でビン入りの手紙を拾う。そこに書かれていたのは、いまは亡き妻に贈られた愛のメッセージ。さまざまな手がかりからビンを流したと思われる男性をつきとめたテリーサは、彼ギャレット(ケビン・コスナー)を訪ねてノースカロライナへ。手紙を見て来たことを切り出せないまま、ギャレットと愛を深めていく。しかし、ついにギャレットが手紙の件を知ってしまう日が来た……」(ALLCINEMA・ONLINEより)
この作品、せりふがいい。
★ギャレットは無口。テリーサに親しみを感じるが、亡くした妻のキャサリンのことを今でも思い、心を閉ざしている彼はこんなことを言う。
「君と出会うまで誰かと親しくなるなんてこと考えなかった。でも。今でも彼女(キャサリン)を感じるんだ。君には正直でいたい」
★そんなギャレットにテリーサも悩む。
「彼の宝物を動かした。私には居場所がないのよ」
「どこも彼女(キャサリン)の面影だらけ。彼女は生きているのよ」
★そしてふたりともとても無器用だ。
海の男のギャレットがそうなのはわかるが(彼はテリーサの嫌いなチョコレートをプレゼントする)、都会派のシカゴ・トリビューンの記者であるテリーサもそうなのが微笑ましい。
シカゴに戻る時、テリーサはギャレットに言う。
「住むにはいい場所よね。あ、これは脅しじゃないのよ」
住むにはいい場所、意味深だ。
ギャレットがシカゴに来た時は、息子のジャイソンに鏡を見て言う。
「お母さん、きれい?」
こんな会話もする。
テリーサ「あの子(息子)は明日友だちの家に泊まるの」
ギャレット「その意味は?」
テリーサ「もう、私の生活はロマンチックからは程遠いわね」
★ふたりが一歩踏み出す時はこんな会話をする。
テリーサ「質問。あれは一時のお楽しみ?それとも何かの始まり?」
ギャレット「今まで大切に思ったのはふたりだけだ。キャサリン、そして都会の女性。彼女はズケズケ物を言う」
ギャレットもたまには気の利いたことを言う。
★そんなふたりを見守る周囲の人間がいい。
ギャレットの父親ドッジ(ポール・ニューマン)はなかなか進展しないふたりの思いを応援する。
「喧嘩をしたのは、いい徴候だ」
「壁なんか打ち破れ。居場所を作れ」
「俺が150若かったら、彼女を放っておかなかったね」
テリーサの新聞社にギャレットが遊びに来た時、同僚はメモを渡す。
メモには「いい男ね」と書かれている。
上司のチャーリーはテリーサのことを好きだったのだろうか、ギャレットを評してこう言う。
「彼はとても幸運な男だ」
★そして、いよいよクライマックス。
ギャレットはキャサリンが夢見ていたヨットを自力で造り始める。
自分の想いを込めて造った船。
その進水式の時、ギャレットはこう挨拶する。
「キャサリン。彼女が共にいてくれることを。いつの日も」
船の名はキャサリン。
ギャレットは「彼女にいつも共にいてほしい」という意味を込めて、この船を造った。
その挨拶を聞いてテレーサはやはり居場所がないと思ってしまう。
「自分と自分の帰るべき家を見失わないように」というメッセージを残して、シカゴに戻ってしまう。
そしてテリーサが去り、ギャレットはこう決心する。
「思い出の中に生きようと思った。でも、心を開けば人生は再び始まることを知った。これから彼女(テリーサ)を捕まえにいく。たとえ失敗しても、ふたりを愛せたのだから、成功だ」
以下、ネタバレになってしまうので、ふたりの恋の結末(大変哀しい)は書かないが、「メッセージ・イン・ア・ボトル」は無器用な男女の愛を描いた穏やかな作品である。
★追記
この作品では死んだキャサリンが、ふたりの恋の橋渡しをする。
キャサリンもビンにメッセージを込めて海に流していた。
その書かれていたメッセージとは……。
「私たちの愛を知って、すべての人が癒されますように。怒りの気持ちがなくなりますように」
「シカゴの新聞社で調査員として働くテリーサ(ロビン・ライト・ペン)は、休暇中の海岸でビン入りの手紙を拾う。そこに書かれていたのは、いまは亡き妻に贈られた愛のメッセージ。さまざまな手がかりからビンを流したと思われる男性をつきとめたテリーサは、彼ギャレット(ケビン・コスナー)を訪ねてノースカロライナへ。手紙を見て来たことを切り出せないまま、ギャレットと愛を深めていく。しかし、ついにギャレットが手紙の件を知ってしまう日が来た……」(ALLCINEMA・ONLINEより)
この作品、せりふがいい。
★ギャレットは無口。テリーサに親しみを感じるが、亡くした妻のキャサリンのことを今でも思い、心を閉ざしている彼はこんなことを言う。
「君と出会うまで誰かと親しくなるなんてこと考えなかった。でも。今でも彼女(キャサリン)を感じるんだ。君には正直でいたい」
★そんなギャレットにテリーサも悩む。
「彼の宝物を動かした。私には居場所がないのよ」
「どこも彼女(キャサリン)の面影だらけ。彼女は生きているのよ」
★そしてふたりともとても無器用だ。
海の男のギャレットがそうなのはわかるが(彼はテリーサの嫌いなチョコレートをプレゼントする)、都会派のシカゴ・トリビューンの記者であるテリーサもそうなのが微笑ましい。
シカゴに戻る時、テリーサはギャレットに言う。
「住むにはいい場所よね。あ、これは脅しじゃないのよ」
住むにはいい場所、意味深だ。
ギャレットがシカゴに来た時は、息子のジャイソンに鏡を見て言う。
「お母さん、きれい?」
こんな会話もする。
テリーサ「あの子(息子)は明日友だちの家に泊まるの」
ギャレット「その意味は?」
テリーサ「もう、私の生活はロマンチックからは程遠いわね」
★ふたりが一歩踏み出す時はこんな会話をする。
テリーサ「質問。あれは一時のお楽しみ?それとも何かの始まり?」
ギャレット「今まで大切に思ったのはふたりだけだ。キャサリン、そして都会の女性。彼女はズケズケ物を言う」
ギャレットもたまには気の利いたことを言う。
★そんなふたりを見守る周囲の人間がいい。
ギャレットの父親ドッジ(ポール・ニューマン)はなかなか進展しないふたりの思いを応援する。
「喧嘩をしたのは、いい徴候だ」
「壁なんか打ち破れ。居場所を作れ」
「俺が150若かったら、彼女を放っておかなかったね」
テリーサの新聞社にギャレットが遊びに来た時、同僚はメモを渡す。
メモには「いい男ね」と書かれている。
上司のチャーリーはテリーサのことを好きだったのだろうか、ギャレットを評してこう言う。
「彼はとても幸運な男だ」
★そして、いよいよクライマックス。
ギャレットはキャサリンが夢見ていたヨットを自力で造り始める。
自分の想いを込めて造った船。
その進水式の時、ギャレットはこう挨拶する。
「キャサリン。彼女が共にいてくれることを。いつの日も」
船の名はキャサリン。
ギャレットは「彼女にいつも共にいてほしい」という意味を込めて、この船を造った。
その挨拶を聞いてテレーサはやはり居場所がないと思ってしまう。
「自分と自分の帰るべき家を見失わないように」というメッセージを残して、シカゴに戻ってしまう。
そしてテリーサが去り、ギャレットはこう決心する。
「思い出の中に生きようと思った。でも、心を開けば人生は再び始まることを知った。これから彼女(テリーサ)を捕まえにいく。たとえ失敗しても、ふたりを愛せたのだから、成功だ」
以下、ネタバレになってしまうので、ふたりの恋の結末(大変哀しい)は書かないが、「メッセージ・イン・ア・ボトル」は無器用な男女の愛を描いた穏やかな作品である。
★追記
この作品では死んだキャサリンが、ふたりの恋の橋渡しをする。
キャサリンもビンにメッセージを込めて海に流していた。
その書かれていたメッセージとは……。
「私たちの愛を知って、すべての人が癒されますように。怒りの気持ちがなくなりますように」