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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

のだめカンタービレ 最終話

2006年12月26日 | その他ドラマ
 人は足りない所を互いに補い合うもの。

 千秋(玉木宏)は音楽には真摯に向き合えるが、人には向き合えない人間だった。「俺様」で人をいつも高みから見ている。心を開くということがない。
 のだめ(上野樹里)は人には真摯に向き合えるが、音楽には向き合えない人間だった。半ば勘違いで千秋の心にどんどん入ってくる。一方、音楽に関しては自分なんて大したことはないと思っている。子供時代のトラウマで真摯に向き合うことを拒絶している。

 こんなふたりが出会って変わっていった。

 千秋はのだめに心の扉をこじ開けられていき、様々な人に出会った。
 Sオケ、RSオケ……、人と出会い、鬱屈していた音楽への思いを表現する場を与えられた。
 人と出会い、様々なことを学んだ。
 それが最後のRS・クリスマス公演に結実する。
 オケのメンバーからは千秋に出会えたことを心から感謝している。

 のだめは千秋から音楽の素晴らしさを学んだ。
 音楽と楽譜と真摯に向き合うことで、こんなに音楽は素晴らしいものになる。
 人を感動させられる。
 自分もピアノでそんな素晴らしい音楽を表現してみたい。

 ふたりはお互いの足りない所を補い合って、成長していった。
 いいカップル、いいコンビである。
 こんなふたりが将来どんなピアノ協奏曲を紡ぎ出すか楽しみである。

 それにしてもタクシーでのすれ違いのシーンからのだめの家でのシーンまでの流れは楽しかった。
 ギャグのネタでしかなかった長距離タクシーが思わぬ小道具となって、おしゃれな出会いのシーンを作った。
「俺様を二度振るなんて許さない」
 千秋らしい告白?のせりふ。

 普通の恋愛ドラマではここで終わるわけだが、のだめは違う。
 そこにのだめの父親が船で通り過ぎる。
 次のシーンではのだめの家族はすっかり盛り上がって。
 弟は千秋のことを「お兄さん」と呼ぶ。
 ロマンチックで感動的なシーンは別の視点で見れば恥ずかしいもの。
 恐らくこの作者はとてもシャイなのだろう。
 その恥ずかしさを最大限にふくらませてギャグにした。
 このシャイな感覚がいい。

 音楽という素材。
 恋人どうしとも言えない微妙な関係。
 ロマンチックをギャグにする。
 そして人間成長の物語。
 「のだめカンタービレ」は、今後のドラマのあり方を示す新しい作品であったと思う。


※現在スパムTBが多く、TBを中止させていただいている状況です。すみません。

コメント (2)
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