平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

長崎犯科帳

2009年02月01日 | 大河ドラマ・時代劇
 うまい設定を考えたものですね。
 舞台は金の力で商人がすべてを牛耳り悪行三昧の長崎。
 そこにやって来た主人公の長崎奉行・平松忠四郎(萬屋錦之介)。
 彼は悪行を行う商人とつるんで賄賂をもらい放題。
 ええっ!正義の味方が!?
 でも実はこれが忠四郎の捜査方法だったんですね。
 悪の中にいた方が悪の情報を得やすい。
 何しろ悪商人は忠四郎を自分たちの味方だと思って悪行を包み隠して喋ってしまうのですから。
 まあ今で言えば潜入捜査。

 この設定により見せ場も作ることが出来た。
 頭巾を被って悪者の前に登場。
 自らを「闇奉行」と名乗って頭巾を外す。
 「あなたさまは奉行様!?」
 今まで悪の仲間だと思っていた人間が180度変わる。
 今までバカにしていた人間が正義の味方に。
 「遠山の金さん」でいう刺青のシーン。
 「水戸黄門」でいう印籠のシーン。
 時代劇ならではの見せ場。

 長崎という舞台設定も作品を面白くする。
 まず長崎限定ということで長崎の悪商人VS長崎奉行という対立図式が明確になる。
 唐人屋敷や密貿易という特異性のある事件が描ける。
 ボウガンなどの外国のアイテムが使える。
 江戸を舞台にした作品には見られない異国情緒を楽しめる。
 実にうまい。

 物語は時代劇の王道の勧善懲悪。
 よくあるストーリー。
 しかし設定を少し変えるだけでまったく別の物語が生まれるんですね。
 エンタテインメントはキャラクターであり設定なんですね。
 

コメント
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