平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ヒカルの碁 第1話~6話

2009年02月12日 | コミック・アニメ・特撮
★現在キッズステーションで放映中の「ヒカルの碁」。
 第1話から6話は小学生編。
 進藤ヒカルが碁に目覚めるまでが描かれるが上手いですね。

①平安時代の天才棋士・藤原佐為に頼まれて仕方なく碁をする。
②対局するうち塔矢アキラらの物凄い真剣に触れる。
 佐為やアキラ、こんなに人を真剣にさせる碁とは何だろうと思う。
③碁のことが少しずつわかってくる。
 佐為の力でなく自分の力で碁を打ちたいと思う。
④自分の力だけで打って敗北。悔しいと思う。

 基本的なストーリーラインは「スラムダンク」などと同じ。
 花道の場合はきっかけは晴子さんだったが、ヒカルの場合は佐為。
 花道は<天才>の素質を秘めていてそれが開花していくが、ヒカルの場合は佐為という天才がバックにいて最初から強い。
 同時に囲碁を始めてまもないのに<ドキッとする一手>を打ったり、<最初からの棋譜を覚える>など天才の片鱗も。
 そしてライバルたち。
 ライバルたちの真剣と情熱に触れて燃え上がる主人公。
 その競技の面白さを知る主人公。

 人をワクワクさせる物語の構造とは手を変え品を変え様々な衣装をまといますが、基本的に同じなのかもしれません。

★読者や視聴者がヒカルの秘密を知っているというのもこの作品をさらに面白くしている。
 ピンチの時には強く普通の時はダメダメなヒカル。
 その理由は佐為が指示しているか否か。
 それを読者・視聴者は知っている。
 なのにヒカルのまわりの人物は……。
 「何だ彼は? 手は昔の手だが滅茶苦茶強い」←<昔の手>という所がポイント。
 「一目で生き死にの急所を掴んだ」
 アキラなどはそんなヒカルにふりまわされて可哀想。
 <見ている人が主人公の秘密を知っている>
 これが物語を面白くするんですね。
 
★価値の逆転
 この作品が大ヒットした原因は<価値の逆転>ですね。
 囲碁を打つことが格好いいという逆転。
 それまでの囲碁のイメージといえば碁会所でお年寄りや親父がやるもの。
 それをくつがえしたから新鮮な映像になった。
 バスケやサッカーが格好いいのはあたりまえですからね。
 また囲碁をするキャラクターが皆美形でかっこいいから感情移入できた。

 「ヒカルの碁」を見ているとヒット作品を作るノウハウが詰め込まれています。
 次は何でしょうね?
 もっとも狙っても当たる当たらないはやはり物語とキャラクターなのですが。

※追記
 アキラは天才かと思いきや、その父親の塔矢名人にはこう言われる。
 「お前には努力を惜しまない才能、囲碁を愛する才能がある」
 天才と周囲にもてはやされながら父にはこの様に言われていたアキラ。
 その心中はなかなか複雑でしょうね。
 アキラが囲碁に向き合っているのは実は父親を求めているからかもしれません。
 以前「神の雫」でも書きましたが、男の子には<父親を越え>という<オイディプス・コンプレックス>がある?


 「ヒカルの碁」第13話~18話はこちら


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