★義とは何か?
謙信(阿部寛)の言う<義>とは「人として美しく生きること」。
それに対して信長(吉川晃司)。
「新しい世を作るためなら鬼にも魂をくれてやろう」
美しく生きることなど二の次。汚いことをしても世の中に安寧をもたらす。
僕としては信長の覚悟の方が好きですね。
謙信も悩んでいたが、愚鈍な兄を倒すことで現在の越後の平和がある。
もし謙信が美しく生きることにこだわって兄をそのままにしていたら越後は信玄に侵略されていたかもしれない。
謙信と信長。
この対立は後の関ヶ原でも。
石田三成(小栗旬)は豊臣家に対する<義>に殉じた男。
家康は世の中の平和のために<義>を捨て豊臣家を倒そうとした男。
家康はたとえ不忠と罵られても世の中を見出す怖れのある(見方を変えれば反徳川の)豊臣家を倒さなければならないと考えた。
結果オーライの考え方ですが僕は三百年の平和を作った家康の方を支持します。
また信長は「義にとわられることはしがらみにとらわれること」と言ったが、まさにそのとおりですね。
義にとらわれるとは帝や足利将軍、また比叡山などの寺社にこだわるということ。
それらは古き秩序。自らの権益を守ることのみを考えている時代の進歩を妨げる存在。
だがそれにこだわっていたら新しい時代は作れない。
具体的な例で言えば楽市楽座。
寺社などの既得権が残っていたら楽市楽座という自由な経済活動は出来なかった。
こう考えると小泉さんは現代の信長ですね。
小泉構造改革の是非は別の議論として時代に逆行する既得権を壊そうとした。
幕末もそうですね。
徳川という古い秩序が時代に合わなくなったから倒された。
この際、帝という権威が錦の御旗として使われたことが面白い。
信長は帝の権威を使わずに自分の力で平定しようとしたが、薩長は利用した。
やはり信長という人はすごい人です。滅茶苦茶強烈な自我。
もっとも徳川三百年の秩序が帝の求心力を使わなければ打倒できないほど重かったとも言えますが。
★さて兼続(妻夫木聡)。
謙信と信長というふたりの英雄を目の当たりにしていろいろ迷っている様です。
世の中の安寧のためには義にこだわらなくてもいいのではないかと。
その迷いは謙信にも伝わって……。
それだけ信長という存在はインパクトのあったものなんでしょうね。
★今回は人物の描き方が見事ですね。
兼続と信長の会見。
ここで謙信との比較で信長を描き切る。
その緊張感の中で秀吉と三成に出会わせる。
初音(長澤まさみ)に関しては兼続を信長に会わせ危険な目に合わせたり、助けたり。その中で<謎の女>というイメージを描き出す。
会見という一連の行動の中でこれらの人物を描いている。
実に見事です。
あとは恋愛パート。
お船(常盤貴子)の婿取り。
お船は兼続に「自分が」と言ってほしい雰囲気。
兼続も多少迷っている感じ。
でも家格の差が……。
戦国時代版「ロミオとジュリエット」です。
※追記
「義はいくさをするための口実」と言い切る信長。
本当に合理主義者ですね。
また言葉の本質(曖昧さ)をしっかり理解している。
立場が違えば「義」は「不義」になるのですから。
謙信(阿部寛)の言う<義>とは「人として美しく生きること」。
それに対して信長(吉川晃司)。
「新しい世を作るためなら鬼にも魂をくれてやろう」
美しく生きることなど二の次。汚いことをしても世の中に安寧をもたらす。
僕としては信長の覚悟の方が好きですね。
謙信も悩んでいたが、愚鈍な兄を倒すことで現在の越後の平和がある。
もし謙信が美しく生きることにこだわって兄をそのままにしていたら越後は信玄に侵略されていたかもしれない。
謙信と信長。
この対立は後の関ヶ原でも。
石田三成(小栗旬)は豊臣家に対する<義>に殉じた男。
家康は世の中の平和のために<義>を捨て豊臣家を倒そうとした男。
家康はたとえ不忠と罵られても世の中を見出す怖れのある(見方を変えれば反徳川の)豊臣家を倒さなければならないと考えた。
結果オーライの考え方ですが僕は三百年の平和を作った家康の方を支持します。
また信長は「義にとわられることはしがらみにとらわれること」と言ったが、まさにそのとおりですね。
義にとらわれるとは帝や足利将軍、また比叡山などの寺社にこだわるということ。
それらは古き秩序。自らの権益を守ることのみを考えている時代の進歩を妨げる存在。
だがそれにこだわっていたら新しい時代は作れない。
具体的な例で言えば楽市楽座。
寺社などの既得権が残っていたら楽市楽座という自由な経済活動は出来なかった。
こう考えると小泉さんは現代の信長ですね。
小泉構造改革の是非は別の議論として時代に逆行する既得権を壊そうとした。
幕末もそうですね。
徳川という古い秩序が時代に合わなくなったから倒された。
この際、帝という権威が錦の御旗として使われたことが面白い。
信長は帝の権威を使わずに自分の力で平定しようとしたが、薩長は利用した。
やはり信長という人はすごい人です。滅茶苦茶強烈な自我。
もっとも徳川三百年の秩序が帝の求心力を使わなければ打倒できないほど重かったとも言えますが。
★さて兼続(妻夫木聡)。
謙信と信長というふたりの英雄を目の当たりにしていろいろ迷っている様です。
世の中の安寧のためには義にこだわらなくてもいいのではないかと。
その迷いは謙信にも伝わって……。
それだけ信長という存在はインパクトのあったものなんでしょうね。
★今回は人物の描き方が見事ですね。
兼続と信長の会見。
ここで謙信との比較で信長を描き切る。
その緊張感の中で秀吉と三成に出会わせる。
初音(長澤まさみ)に関しては兼続を信長に会わせ危険な目に合わせたり、助けたり。その中で<謎の女>というイメージを描き出す。
会見という一連の行動の中でこれらの人物を描いている。
実に見事です。
あとは恋愛パート。
お船(常盤貴子)の婿取り。
お船は兼続に「自分が」と言ってほしい雰囲気。
兼続も多少迷っている感じ。
でも家格の差が……。
戦国時代版「ロミオとジュリエット」です。
※追記
「義はいくさをするための口実」と言い切る信長。
本当に合理主義者ですね。
また言葉の本質(曖昧さ)をしっかり理解している。
立場が違えば「義」は「不義」になるのですから。