平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

天地人 第8回「謙信の遺言」

2009年02月23日 | 大河ドラマ・時代劇
★上杉謙信(阿部寛)のいくさを行う目的は<足利義昭に拠る秩序の回復>。
 毎回書くが<古きものを守る>という姿勢。
 ここに謙信の限界がありますね。
 兼続(妻夫木聡)がチラリと言った様に足利義昭では乱世治まりませんから。
 今に例えれば麻生総理を応援する様なもの。

 確かに自分が天下にこだわらない行いをすることで世の中に<義>(人としての美しい姿)を示したいというのはわかる。
 理想・思想によって世の中を統治しようというやり方。
 道徳・倫理で乱世を鎮めようというやり方。
 でも平和な時代ならともかく生きるか死ぬかの乱世では<理想><思想>は無力。
 乱世を鎮めるには信長が目指した様な強力な権力による統治が必要。(もちろん権力の行き過ぎは困るが。歴史はこのバランスが難しい)
 倫理・道徳は秩序が回復してから為政者が作っていくもの。統治のために。
 謙信が<義>による社会を作りたいのなら、天下を取って自らが行うべきでしたね。

★さて兼続。
 「功名が辻」でも「迷うが人」という回があったが、迷っている。
 謙信の言う<義>で世の中が治まるのか? 謙信が天下を取って治めるべきではないのか?
 先程書いた<謙信の限界>を兼続は感じている。

 それに対して謙信。
 「迷え。迷えばおのれの義が見えてくる」
 「おのれとの戦いの中で孤独な瞑想を続けよ」
 この辺はさすが謙信ですね。
 謙信の思想を何の批判もなく信じている景勝(北村一輝)、景虎(玉山鉄二)。
 謙信はそれではいけないと言っている。
 <迷いに迷って自分で結論を出せ>と言っている。
 姜尚中さんのベストセラー「悩む力」ではないですが、<悩むこと><迷うこと>こそが大事だと言っている。

 考えてみると大河ドラマの主人公はみんな迷ってますね。
 「功名が辻」の一豊はまさに<迷うが人>。
 「篤姫」もあれこれ迷い他人に聞き、自分が納得しなければ前に進まなかった。
 
 そして現代に生きる我々も自分で考えて生きていきたいですね。

 さて迷う人・兼続はどんな自分の<義>を見出すか?

※追記
 そう言えば小泉さんが尊敬する戦国武将は織田信長だそうですね。
 竹中平蔵さんも昨日の「バンキシャ!」で信長だと言っていた。
 古い勢力をぶち壊して新しい社会を作る。
 構造改革の是非は別の問題としてこの点で信長に共感するのでしょうね。


コメント (4)
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