平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ハッピーフライト

2009年02月07日 | 邦画
★飛行機ものですね。
 「アテプリ」などでCAとパイロット、整備スタッフのことは描かれたが、乗客のクレーム対応に追われる<グランドスタッフ><オペレーション・ディレクター><ディスパッチャー><管制官><バードパトロール>などに着目したのはさすが矢口史靖監督。
 目のつけ所が違う。
 そうですね。働いている人ひとりひとりにドラマはあるわけですからね。

★矢口作品の特徴はミスマッチの面白さ。
 男の子がシンクロする?
 女子高生がジャズをやる?
 今回のミスマッチは格好悪いパイロットやCA。
 制服に身を固めてパイロットやCAは格好いい。
 でも内実は?
 テレビドラマでもダメダメなCAが描かれたが、ギャレーで青竹踏みをしているCAは見たことない。
 乗客の注文を覚えるのに<ほくろ小僧>とかあだ名をつけているのも笑える。

 地味だと思われる<グランドスタッフ><オペレーション・ディレクター><ディスパッチャー>などが格好良く描かれるのもミスマッチ。
 グラウンドスタッフの木村菜採(田畑智子)が無線機を手に取る。
 まるで刑事が拳銃を配備する時の様。
 ディスパッチャーがコンピュタを駆使して天気情報、風向きなどの情報を伝える所はまさに海外ドラマ「24」。
 情報官のクロエ・オブライエンを連想させた。

 仕事には格好悪い部分と格好いい部分があるんですね。
 そして人が格好良く輝くのはプロフェッショナルな仕事をしている時。
 先程のグラウンドスタッフやディスパッチャーの例がそうだし、横暴な客を見事にさばくチーフパーサー山崎麗子(寺島しのぶ)もそう。
 CA斎藤悦子(綾瀬はるか)はドジばかりだったが、緊急着陸の時はプロのCAになっていた。
 オペレーションディレクター高橋昌治(岸部一徳)もデジタルに対応できていない親父だったが、コンピュータが使えなくなりアナログで対処しなくてはならない時、風を読むなど力を発揮した。

 そうどんな仕事であってもプロの仕事をしている人間はカッコイイのです。
 オリンピックで最高のパフォマンスをしてメダルを獲る姿は格好いいし輝いていますが、普通の仕事をしている人にもそういう瞬間があるのですね。

 
※追記
 「ウォーターボーイズ」「スウイングカールズ」そしてこの「ハッピーフライト」。
 これら矢口作品に共通しているのは<どちらかと言えばダメダメな普通の人が格好良く輝く>ということ。
 物語は「ロッキー」なのですが、素材の切り口が面白いんですね。

※追記
 せりふもカッコイイ。
 パイロットに「エマージェンシー(緊急事態)を要請しますか?」
 チーフパーサーがCAに「これから私達はサービススタッフでなく保安スタッフになります。乗客に厳しくあたってよろしい」
 決断のせりふ、事態の変化を的確に表すせりふというのは立ちますね。


コメント
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