平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花燃ゆ 第42回「世界に賭ける糸」~地方創生と志ある、新しい日本人をアメリカに送り出した美和

2015年10月19日 | 大河ドラマ・時代劇
 富国強兵の時代である。
 富国という点では、富岡製紙工場は官営、上からの、国策の産業振興。
 一方、下からの民間から出て来るものもある。
 星野長太郎(大東駿介)の水沼製糸所がそうだ。
 資本主義の萌芽ですね。

 一方、リスクを嫌う行政官僚は、星野のような新しい起業家をなかなか信用しようとしないし、既得権者は邪魔をする。
 具体的には、富岡製紙工場を見せない。
 弟・新井領一郎(細田善彦)の渡米に資金を出さない、といった行為。
 こうして新しい芽は摘まれていく。

 しかし、これを育てようとしたのが、楫取素彦(大沢たかお)だった。
 楫取は周囲を説き伏せ、領一郎のアメリカ行きをとりつける。
 政治家してますね。
 県令という力を駆使して、頭の堅い行政官僚や既得権者を打破する。
 これが政治家の仕事。
 楫取のやり方は、「認めてくれるまで帰りません」という無器用なやり方ですが。
 現在、安倍内閣のもとで、地方創生がおこなわれているが、このような形でどんどん新しい芽を育ててほしい。

 美和(井上真央)にとっても、領一郎のアメリカ行きは意味のあることだった。
 領一郎は熱く語る。
「生まれや身分に関わりなく志を抱き、夢を見る事ができる。アメリカに行き、もっと学びたいんです」
 領一郎は志のある若者、新しい日本人なのだ。
 そして、領一郎のような志をもった若者を応援し、新しい日本人を育てることこそ、美和がやろうとしていたこと。
 美和の心の中では、領一郎とアメリカに行こうとした兄・松陰の姿がオーバーラップしたのかもしれない。
 志半ばで亡くなった弟・敏三郎(森永悠希)を思い浮かべたのかもしれない。

 美和と楫取のタッグは上手く機能していますね。
 東京の中央政府でなく、地方政府を舞台に持ってきたのも面白い。

 今回、もうひとつ面白かったのが、上州女VS長州女。
 第一回目の軍配は、上州女にあがったようだ。
 彼女たちを前に美和もたじたじ。
 美和たちは「世話ぁない」ですからね、生きることに貪欲な上州女にかなうわけがない。
 さすがの阿久沢権蔵(江守徹)も上州女の妻・せい(三田佳子)には頭があがらないみたいだし。
 美和は、大奥の女性たちと同じように、せいたちと心を通わせることが出来るのだろうか?

コメント (2)
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