平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第20話「前兆」~乱心されているのは殿下の方! 三成は熱い人間だった!

2016年05月23日 | 大河ドラマ・時代劇
 秀吉(小日向文世)の恐怖政治が始まった。
 やはり権力は人を狂わせるんですね。
 恐怖で人を従わせ、粛正で邪魔者を排除する。
 秀吉だけでなく、人類はこの歴史を繰り返してきた。

 われらが安倍ちゃんは大丈夫か?
 先日、「私は立法府の長」と言ったらしいけど。
 あなたは、「行政府の長」であり、「立法府の長」ではありませんから。
 単なる言い間違えなのか? 三権分立も知らないバカなのか?
 それとも立法府の自分の思いのままに出来ると勘違いしているのか?

 さて、今回はなんと言っても三成(山本耕史)。
 官僚型で権力闘争に明け暮れる人かと思っていたが、ちゃんと血の通った人物だった。
 物事を冷静に深く考えている人だった。

 まずは落書のもみ消し。
 三成は秀吉の耳に入る前に、この落書を消して、なかったものにしようとした。
 彼は盲目的な秀吉崇拝者じゃなかったんですね。
 熱烈な崇拝者だったら、とんでもないことだ、と秀吉といっしょになって怒り出す。
 おそらく加藤清正(新井浩文)だったらそうしていただろう。

 次に、秀長(千葉哲也)を使った秀吉の懐柔。
 豊臣家で影響力のある人間が誰かがわかっている。
 秀長ともそれなりの信頼関係を築いている様子。
 きり(長澤まさみ)経由で、秀次(新納慎也)にアクセスすることしかできない信繁(堺雅人)とは大違い。

 そして、ますます秀吉の狂気が収まらない事態になると、直談判。
「これではあまりにも度が過ぎまする!」
「乱心されているのは殿下の方!」
 普通の、保身だけを考えている人間だったら、「殿下の言うことはごもっとも」と言って何も言いませんよね。
 現にこれで三成は切腹を言い渡されるわけですし。

 信繁が秀吉に意見しようとすると、「お前は下がってろ!」と言ったのもすごい。
 三成は、信繁が何かを言っても聞き入れられないし、命を危なくすることを知っている。
 秀吉を諫めるのは自分だという自負もある。
 三成、泣けるぜ。
 落書の件で関係のない人が殺されていくことにも三成は、いくら飲んでも酔えぬ、と悩んでいた。
 おおっ、この人、結構、熱い人ではないですか。

 それと寧(鈴木京香)。
 彼女も秀吉のことを深く考えていますよね。
 秀吉の狂気を「痛いところを突かれたから」としっかり分析している。
 だから秀吉への言葉も一番説得力がある。
「落ち着いてよう考えや。
 あんたが怒れば怒るほど噂が本当に思えてくるんだに。
 みんな言うてますよ。
 本当の事だで、殿下がお怒りになられたんだって。
 人は皆そんなふうに勘ぐるの。
 それが分からんあんたじゃないでしょう」
 長年連れ添った妻でなければ言えない言葉だ。
 尾張言葉でしゃべるのも、昔を思い出させて、秀吉の心に一番届く。

 あとは共犯関係。
 今回は、死んだ尾藤道休を下手人に仕立て上げるという作戦で、信繁、三成、大谷吉継(片岡愛之助)は秀吉を欺いた。
 こういう共犯関係は絆を強くしますよね。
 それと、寧と茶々(竹内結子)。
 寧の説得に茶々も一役買った。
 天皇の聚楽第行幸で何もできず、次回は役に立ちたいと言った茶々は、今回しっかり役に立った。
 面白い人間関係だ。

 それにしても秀吉の狂気を抑えられるのは、寧、秀長、三成、茶々くらいなんですね。
 一方で、面従腹背の家康(内野聖陽)が密かに牙をむいている。
 面従腹背は権力者をますます<はだかの王様>にする。
 しっかり意見する人間こそ必要。

 あとは落首は民の声。
 秀吉は落首に激怒するのではなく、三成のように、この落首の裏に民のどんな気持ちが隠されているかを学ぼうとしなければならなかった。
 現代の落首で代表的なのは、『保育園落ちた、日本死ね』のブログかな?

コメント (4)
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