平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第21回「戦端」~これが新しい時代のいくさなのです。そして愛すべき登場人物たち

2016年05月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は関東の覇者・北条である。
 大大名のプライドがあって、なかなか秀吉(小日向文世)に膝を屈しない。
 中央から離れているので、世の中の流れなど、十分な情報が伝わらないというのもあるだろう。

 そんな北条氏政(高嶋政伸)に家康(内野聖陽)は説く。
・長いものには巻かれろ。
・氏政殿は永年のいくさ仲間。
・北条には関東の覇者であってほしい。
 友情である。
 この友情は損得抜きで、
「確かに北条には滅んでもらった方がどれだけ助かるか。
 しかし、心底救ってやりたくなったのだ。
 何の得にもならんが、たまには得にならんこともしてみたくなるもの」
 これで家康の人物像に幅が出ましたね。
 脚本の三谷幸喜さんは、あらゆる登場人物に愛情を注いでいる。

 調停で問題を解決することにこだわるのも三谷さんらしい。
 これまでの大河ドラマでは、いきなり小田原攻めのシーンに飛ぶのだが、沼田城をめぐる調停シーンを入れた。
 武力ではない、言葉による解決である。
 信繁(堺雅人)はこのことについて次のように語る。
「これが新しい時代のいくさなのです」
 <新しい時代のいくさ=言葉による平和的解決>
 政権が不安定で、大きないくさをする余裕がなかったからだろうが、この頃の秀吉の姿勢はいいな。
 関白という地位を得たのも自らを権威づけるため。権威による統治。
 しかし、力を持っていれば、使いたくなるのが権力者の常。
 秀吉は次第におかしくなっていく。

 さて、最後はふたたび、三谷幸喜さんが<あらゆる登場人物に愛情を注いでいる>ことに注目します。
・嫁いだ娘、稲(吉田羊)のことが心配でたびたびやって来る本多忠勝(藤岡弘、)。
・稲が心を開いてくれないことに悩む信幸(大泉洋)。
・婆様の病気でかゆいところに手が届く対応をする元妻のこう(長野里美)。
・いまだに記憶に曖昧なところがある松(木村佳乃)(笑)
・いまだに隠し扉にこだわる昌幸(草刈正雄)(笑)
・薫(高畑淳子)に「人質」であることをはっきり言い出せない昌幸。
・「あいつが出ないなら俺も出ない」と言ってわがままを言う昌幸。
・武器部屋に隠れている昌幸。
・「跡継ぎの器でない」「その方が気が楽だ」と屈託なく言う秀次(新納慎也)。

 みんな、どこかおかしくて人間味があっていいなぁ。
 人物がすべて細かく描き分けられている。
 面白さでは、昌幸が一番だけど。

 きり(長澤まさみ)も面白い。
「いい加減、わたしを振りまわすのやめてくれない? まるで子供ね。少しは素直になりなさいよ」
 信繁~、きりは勘違いしてるぞ~(笑)

コメント (4)
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